IT企業への就職や転職に有利だといわれる資格に、ITパスポートがあります。企業のIT化が急速に発展している現代では、IT系の資格が注目されており、ITパスポートもその一つです。
勉強方法や試験内容など、ITパスポートについて詳しく解説しているので、気になる方は最後まで読んで参考にしてください。
ITパスポートとは、経済産業省が認定したITに関する基礎的知識を証明するための国家資格です。
ITパスポートは、最低限必要なIT知識を身につけられるため、エンジニアだけでなく、事務職や営業など幅広い職種の社会人、学生でも受験しています。ITパスポートを勉強すれば、ビジネスに役立つ知識も得られ、就職や転職に非常に役立つ資格として注目されています。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「ITパスポート試験」
ITパスポートに合格すると、ITに関する基礎知識があることを証明できます。
ITパスポートは、ITに関する基礎的知識を測る国家資格です。近年のIT化で、企業のIT業務(パソコン利用・電子データなど)が増加しています。それに伴い、ITパスポートの勉強をしておくと、仕事をするための最低限必要なIT知識を習得できるため、オススメの資格です。
ITパスポートは、難易度に合わせて12の試験に分けられています。レベル1は、難易度が最も低く、ITスキルを持っていない初心者でも受験しやすいです。
IT企業に就職・転職希望の方は、専門知識を身につけるはじめの一歩として、ITパスポートの勉強をしてみましょう。ITについて理解しやすい内容が豊富なので、抵抗なく勉強できるのでオススメです。
ITパスポートは、2009年に開始された比較的新しい資格です。ITパスポート開始前は、情報処理技術者試験というIT系試験がありました。情報処理技術者試験の内容は、時代に合わせながら徐々に変化していき、結果現在のITパスポートが誕生しました。
情報処理技術者試験は、1969年に制定された受験資格がある国家資格です。試験内容は情報分野だけでした。その後、時代に合わせた変化を何度も繰り返し、1994年に新たな試験区分としてシステムアドミニストレータ試験が加わりました。表計算ソフトなど、パソコンを利用した情報管理に関わる知識が図れる試験内容への変化です。
さらに2001年には、システムアドミニストレータ試験が初級と上級に分割、受験資格が廃止され、誰でも受験できる資格になりました。
その後、2009年にITパスポートという名称で試験区分が誕生。システムアドミニストレータ試験が廃止され、IT科目の資格はITパスポートに統一されたのです。
初級シスアドといわれる「初級システムアドミニストレータ試験」は、現在は廃止された試験です。これは、ITパスポートとは異なります。
初級シスアドは、IT業務のリーダーを育成する試験です。ITパスポートに比べると難易度が高い資格でした。
また、MOSとITパスポートも異なるので注意しましょう。
MOSは、マイクロソフト社が認定する民間資格に対し、ITパスポートは国家資格です。MOSは、Word・Excel・PowerPointなどを実際に使いこなせるスキルを証明します。そのため、試験方法は実務です。一方で、ITパスポートは、四肢択一式の試験で、ITに関する幅広い知識が求められます。
知識を証明するには、ITパスポートがオススメです。一方で、即戦力をアピールしたいのであれば、MOSがオススメでしょう。
以下、ITパスポートの試験概要です。
試験日程 | 随時実施 |
---|---|
受験資格 | 誰でも受験可能 |
試験会場 | 全国47都道府県の試験会場 |
出題分野 | ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
試験時間 | 120分 |
受験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式 |
受験料 | 7,500円(消費税込み) |
合格発表 | 受験した月の翌月15日前後に発表 |
ここからは試験日程や受験資格、試験内容など詳細について解説をします。これからITパスポート試験受験予定の方は、参考にしながら試験準備を進めてください。
ITパスポート試験は、原則毎日実施しています。そのため、自分の準備ができたらいつでも受験可能です。
ITパスポート試験には、受験資格がありません。そのため、年齢や性別、学歴や国籍問わず誰でも受けられる「挑戦しやすい資格」です。
ITパスポート試験は、全国47都道府県で受験可能です。各都道府県に複数受験会場があるので、自分が住んでいる地域の受験会場を調べてみましょう。
100問の小問形式で、3つの分野について出題されます。
試験時間は、120分です。記述式の問題はありません。ただし、計算を要する問題が含まれるため、時間配分には注意が必要です。難しい問題や計算問題で時間を使ってしまうと、後半の回答時間が足りなくなるので、時間配分には注意しましょう。
受験方法は、PCで回答するCBT方式です。試験開始時に、受験番号やIDを入力し、ログインをして受験します。
受験料は、7,500円(税込み)です。支払方法は、クレジットカード・コンビニ払い・バウチャーの3つから選択できます。
試験後、すぐに自分の得点を確認可能です。
正式発表は、受験した月の翌月15日前後にホームページにて公表されます。発表時間帯は、正午です。
ITパスポート試験に出題される3つの分野について。1つずつ解説します。試験内容を理解し、効率的に勉強を進められるよう準備しましょう。
ストラテジ系の試験内容は、35問で企業経営に関連した知識を問われます。以下、ストラテジ系の試験内容です。
企業と法務
経営戦略
システム戦略
経営先約やシステム戦略、マーケティングに関する出題が多いのが、ストラテジ系の特徴です。また、著作権や個人情報保護など法務に関する出題も多く、法務関連用語はしっかり覚えるようにしましょう。
マネジメント系は、20問でシステム開発やプロジェクト管理などに関する問題が出題されます。以下、マネジメント系の試験内容です。
開発技術
プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント
システム開発の方式やプロジェクト管理、システム監査の流れを覚えておくといいでしょう。
テクノロジ系は、IT基礎となる二進法など、数学的基礎論理やパソコンの仕組み、アルゴリズムに関する内容が45問程度で出題されます。以下、テクノロジ系の出題内容です。
基礎論理
コンピューターシステム
技術要素
テクノロジ系は出題範囲が広く、他の2分野に比べても出題数が多いので、しっかり勉強するようにしましょう。
ITパスポート試験の概要を理解した次は、試験を受けるメリットを解説します。
メリットを理解した上で勉強した方が、モチベーションが上がり合格につながりやすくなります。ITパスポートに興味がある方やこれから受験する方は、メリットを理解した上で、試験に臨むようにしましょう。
ITパスポート試験に向けて勉強すれば、IT分野の基礎知識を身につけられます。IT知識は、現代社会において必要不可欠な知識です。必ず活用できる、強いスキルになるでしょう。
IT知識は、エンジニアだけでなく営業職や総務、人事などすべての職種で必要です。IT知識があれば、業務で利用する電子端末をスムーズに使いこなせます。
もちろん、仕事以外の場面でも、IT知識を活用できる場面は多いです。私たちの生活では、スマホやパソコンは切り離せない存在となりました。IT知識があれば、生活の中で利用するIT端末を不自由なく利用でき、生活を豊かにできるでしょう。
IT知識は、今後も必要性が高くなる知識です。これからの時代、活躍する人材になりたいならば、積極的にIT知識を身につけるようにしましょう。
ITパスポートに合格していれば、IT知識があることを証明できます。そのため、就職活動で有利になるでしょう。
ITパスポートで学べる知識は、ITエンジニアにとっては必須の知識です。そのため、ITエンジニアの転職で有利になることはほぼないです。しかし、IT系以外の就職を考えている場合は、かなり有利になるでしょう。
理由は、ITエンジニア以外の職種でもパソコンやネットワークに触れる機会の増加が影響しています。ITエンジニア以外の従業員にも、企業は情報リテラシーやセキュリティ対策に対する知識を求めるようになりました。
これらの背景からも、ITパスポートの資格を保有していれば、転職の際に有利だといえるでしょう。
もちろん、ITパスポートはエンジニアにとっても重要です。「知っていて当然」のIT知識を身につけられる資格のため、いまからエンジニアを目指したいという方にオススメの資格でもあります。
ITパスポートでは、ITに関する知識はもちろん、経営戦略に関する知識やリスクマネジメントに関する知識、さらに財務に関する知識も学べます。
ITパスポートで学ぶ知識は、仕事をする上で知っておきたい知識です。たとえば、経営戦略の観点では、SWOT分析やBSCの知識。また、財務に関する知識では、財務諸表の読み方や損益分岐点の分析スキルです。これらの会計知識は、財務や会計の部署に勤めていなくても、知っておくだけで仕事に活かせます。
すぐに活用しなくても、IT知識を事前に身につけておけば、いずれ会計や財務に興味を持った際、役に立つでしょう。今後、社会人にとってIT知識は必須スキルになるため、勉強するメリットしかありません。
ITパスポート資格所有者に対し、単位取得制度や入試優待制度を設けている大学もあります。
大学受験でITパスポート資格保有者に対して入試優待制度を制定している大学は多いです。そのため、ITパスポートを高校で取得し、大学受験を目指す学生が増えています。また、大学の授業によっては、ITパスポートを取得している学生には、単位認定制度を設けている学校もあります。
学校のIT教育は加速しているため、ITパスポートを取得していれば有利になることが多いです。
ITパスポートは、年齢や学歴に関わらず誰でも受験できます。少しでも有利に大学受験に臨みたいのであれば、ITパスポート資格取得を目指してみましょう。
せっかくIT基礎知識を学んだならば、学んだ知識を活かせる職場への転職や就職を考えてみましょう。
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参考:WARC AGENT
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参考:ギークリー
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参考:リクルートエージェント
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参考:レバテック
ITパスポートは、ITの基礎知識を身につけられる資格です。受験資格がない国家資格のため、誰でも挑戦できます。社会人であれば、知っておきたい会計の知識や財務の知識も身につけられるため、スキルアップしたい方にはオススメの資格です。
ITパスポートを取得しておけば、いずれIT系企業やIT業界に転職をしたいと考えた際も有利になります。今から、将来の可能性を考えてITパスポート試験の勉強をはじめておくと、今後のキャリアの幅を広げられるでしょう。