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簿記1級取得者の平均年収は?資格取得でキャリアチェンジ・キャリアアップを目指す

2024/01/23 更新

「簿記1級を取ると年収はどれくらいになるのか知りたい」「簿記1級を取って転職やキャリアアップがしたい」、日商簿記1級は、簿記検定の中でも最難関の資格であり、高度な会計知識を持っていることを証明できる資格です。

この記事では、簿記1級取得者の平均年収や資格取得でキャリアチェンジ・キャリアアップを目指す方法について解説します。ほかにも、簿記1級取得を目指す際の注意点についてもお伝えします。この記事を読んで、簿記の最高峰である簿記1級を目指してみてください。

簿記1級取得者の平均年収は?

国税庁の「令和3分 民間給与実態統計調査」(※1)では、日本全国における正社員の平均年収が508万円です。一方、大企業(資本金10億円以上)で経理として働いた場合は、その平均年収は約615万円というデータがあります。

簿記1級の取得者の勤務先は、主に大手企業、会計事務所、コンサルティングファームなどがあり、需要はさまざまです。

勤務先

平均年収

上場企業またはその子会社の経理職(管理職候補として勤務)

約600万円~

会計事務所

約800万円~

コンサルティングファーム

600万円~

簿記1級は合格率が約10%と低く、合格率が低い難易度が高い資格です。簿記1級保有者は大手企業でも重宝される資格となります。大手企業の経理に転職できれば年収アップも狙えると推測できます。

(※1)参考:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」

簿記1級の難易度と得られるスキル

簿記1級というと、商工会議所が主催する「日商簿記1級」のことを指します。商工会議所では簿記1級のことを以下のように定義しています。

極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。

合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門(参考:商工会議所)。

簿記1級は希少性が高く、誰でも取れる資格ではありません。簿記1級の試験範囲は2級・3級に比べると圧倒的に学習範囲が広くなっています。

試験範囲

3級

商業簿記

2級

商業簿記・工業簿記

1級

商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算

また、簿記1級の合格率は約10%前後となっています。直近の1級〜3級の合格率は以下の通りです。

1級

2級

3級

164(2023.6.11)

12.5%

21.1%

34.0%

163(2023.2.26)

-

24.8%

36.5%

162(2022.11.20)

10.4%

20.9%

30.2%

(※2)

※2級・3級は統一試験(紙試験)の合格率です。

簿記1級を取得すると、企業の複雑な財務取引や帳簿管理に関する高度な知識を得るられます。

(※2)参考:商工会議所の検定試験「受験者データ」

簿記1級は「極めて高度」な会計スキル

簿記1級はきわめて高度な会計スキルを要求される資格であり、資格合格は複雑な財務情報を処理し、解釈する高い能力を示す資格となります。

この資格は企業の財務戦略において重要な意思決定を行う際に必要な知識とスキルを身につけていることを意味し、数値データを的確に分析し、企業の財政状態を正確に把握することを期待されます。

簿記1級の合格者は高度な専門性を持ち、企業の経理や財務のポジションでリーダーシップを発揮できると見なされます。

よって、企業の経理部・財務やマーケティング、経営管理などの幅広い分野への転職に有利とされています。

「公認会計士、税理士」などの国家資格への登竜門

簿記1級は、会計の専門知識を高度に理解し、実務スキルを磨く試験であり、公認会計士や税理士などの国家資格への登竜門となっています。公認会計士や税理士は企業や個人の財務を管理し、法令を遵守する重要な役割を果たしています。

簿記1級が公認会計士や税理士の登竜門であると言われる理由は、さまざまです。

税理士は、簿記1級に合格すると、税理士の受験資格を得られます。税理士試験では受験資格があり、一定の学問を修めた人か一定の資格合格がないと受験資格を得られません。また、税理士の試験は簿記1級の試験問題の重複が多いです。約9割の試験範囲が重なっていると言われているため、税理士試験の準備として簿記1級の勉強をする人も少なくありません。

一方、公認会計士は受験資格がなく、誰でも受験することが可能であり、必ずしも簿記1級の資格を取得する必要はありません。しかし、公認会計士試験を受験する多くの人は簿記1級を受験した経験があり、ほとんどの人が実際試験に合格しています。その理由は、簿記1級を先に受けることで試験慣れし、本番である公認会計士試験に向けた練習になります。また、簿記の計算力向上が見込め、公認会計士試験で出題される複雑な計算に対応できます。

簿記1級に合格しておくことで、公認会計士や税理士試験で重複している部分を効率的に勉強できるようになるでしょう。

簿記1級取得者が転職に有利になる理由は?

簿記の知識があることは、転職において有利になります。経理部門や会計部門への転職だけでなく、それ以外の職種への転職でもプラスに働く機会が多いでしょう。たとえば、営業職

では売上を上げるだけでなく、会社の利益や業績の考え方を理解できることから、業務に役立てられます。ここでは、簿記1級取得者が転職に有利になる理由について解説します。

知名度が高い資格

簿記1級は転職に有利とされていますが、その理由の一つに高い知名度があげられます。企業は信頼性と専門性を求める中、この資格は高度な会計スキルを示すものとして広く認知されています。

簿記1級は試験の難易度も高いため、取得者を財務および経理のポジションに適していると認識され、採用の際に優先的に考慮する傾向にあります。

簿記の中でも最高峰の資格300

簿記1級は簿記の最高峰であり、高度な財務管理スキルを持っていることを証明できます。この資格は、企業の財務戦略や戦術に精通し、複雑な財務レポートを分析・作成できる能力を示すものです。簿記1級を取得すると以下のようなことに対応できるようになります。

  • 上場企業の決算書がほとんど全部わかり、読めるようになる。
  • キャッシュフロー計算書・連結決算書など、高度な決算書の内容がわかるようになる。
  • コスト計算の基礎力が上がる

簿記1級取得者は、簿記1級保持者は、企業の経営層において意思決定に寄与し、経済的な側面から組織をサポートできる専門家とみなされます。また、試験に合格することで社会的信用が増し、ビジネスパーソンとしてひとつ上のステージに上ることもできます。

企業に必要な数値管理スキルの証明

簿記1級は2級や3級で得られない企業に必要な数値管理スキルの証明になります。具体的には、予算作成や経営分析、製品の原価管理などです。簿記1級の取得は、複雑な財務データを理解し、効果的に管理・分析する能力を要求します。企業はこれらの数値管理スキルを重視し、信頼性のある財務情報を提供できる人材を求めています。

簿記1級の合格は、経理や財務のポジションで数値データを適切に扱えるスキルを持っていると証明できるものです。企業が求める数値管理スキルを具体的に持っているという自己アピールが可能になり、採用担当者に強い印象を与えることが期待されます。

簿記1級取得後の転職・就職先は?

簿記1級はその難易度の高さから、高い評価を得ることは間違いありません。簿記1級を取得後はキャリアアップや転職を考えると思います。特に、大企業の経理やコンサルティングファーム、会計事務所などの職種では、この資格を持つことは大きな利点となります。ここでは、簿記1級取得後の転職・就職先について解説します。

大企業の経理

はじめに、簿記1級取得後に考えられる転職・就職先は大企業の経理です。大手企業の経理では、連結会計などの日商簿記1級レベルの高度な経理業務を行っています。そのため、簿記1級の知識を身につけていることや、難関資格に合格した能力の高さが評価され、未経験からでも大手企業の経理はおすすめです。

大手企業は高い年収や福利厚生の充実など、安定した職種であり人気があります。また、大手企業であれば簿記2級を持っている人は多いため、簿記1級を持っていれば求人の応募は可能です。

コンサルティングファーム

次に、簿記1級取得後の転職・就職先に、コンサルティングファームがあります。コンサルティングファームとは、企業が抱えるさまざまな悩みや課題を解決することをメインビジネスとした企業のことです。

簿記1級を取得すると、M&AやIPOの分野で活躍できます。M&Aコンサルティングでは、企業の財務状況を分析することや、買収後の業績評価などを行います。IPOのコンサルティングでは、株式公開に伴う財務関係の手続きや会計処理を行います。これらのコンサルティングにおいて、簿記1級の知識は役立ちます。

しかし、コンサルティングファームでは簿記1級の知識のほかに、企業戦略、市場動向、競合分析、法務、人事など、多岐にわたる知識が求められます。簿記1級取得した後もコンサルティングにおけるスキルアップは必要になるでしょう。

会計事務所

最後に、簿記1級取得後の転職・就職先として会計事務所があります。会計事務所は、法人・個人の税務相談、各種税務申告業務、記帳代行といった税務・会計に関するサービスを提供しています。

運営は公認会計士や税理士の資格を持っている人が行っており、公認会計士や税理士の補助として業務を行うことになるでしょう。

会計事務所での主な仕事内容は、確定申告や仕訳の記帳代行、監査・アドバイザリーなどの補助になります。

日本国内の会計事務所の数は、25,000所以上あり、事務所の規模においてもサービスの内容は異なってきます。どのような仕事ができるかは求人情報をよく確認して応募する必要があります。

簿記1級所得後の注意点は?

難関資格である簿記1級を取得すれば、誰でも希望する仕事に結び付けられるわけではありません。簿記1級は多くの勉強時間や、通学や通信で学ぶ場合は費用もかかります。もし合格を目指すのであれば、より大きな企業に挑戦したい、公認会計士や税理士にステップアップしたいといった明確な目標を立ててから検討するのがおすすめです。ここでは、簿記1級取得後の注意点について解説します。

簿記1級を持っているからと転職できるわけではない

簿記1級を持っていることは素晴らしいスキルですが、それだけでは転職に成功するわけではありません。なぜなら、実際の就職・転職先では、単に簿記のスキルだけでなく、コミュニケーション、リーダーシップ、問題解決などの幅広いスキルが求められるからです。

また、特定の業界においてはその業界に関する知識や経験が必要です。実際の業務経験がない場合は雇用主が不安に感じる部分があります。実際の業務状況に適応できる経験があるかどうかも重要です。

簿記1級はひとつのステップであり、転職にはそれ以外の要素も考慮されることを充分に理解する必要があります。

中小企業の場合は2級、3級でも十分なケースもある

中小企業の場合は2級や3級でも充分なケースもあります。なぜなら、中小企業の場合、少人数の人員で業務を行っており、簿記2級や3級の知識でも事務処理や財務管理が可能だからです。

大企業の経理は業務が細分化していますが、中小企業の場合は業務が多岐にわたり、時には経理以外の総務、人事といった業務を任されることもあります。簿記1級よりも簡素な取引が中心なので、2級や3級でも業務が効率的に行え、企業から求められているスキルとマッチします。

中小企業の場合、簿記1級はオーバースペックと捉えられることがあり、実際に簿記1級で得た知識を活かしきれない可能性もあります。

簿記1級の取得を目指すには本当に自分にとって必要かどうかを判断する必要があります。

簿記1級取得後の転職はエージェントを利用

簿記1級取得後の転職はエージェントを利用するのが1番です。なぜなら、エージェントは特定の業界や資格に関する情報と幅広い業界ネットワークを持っており、資格保有者に適した求人情報を提供しているからです。自社の転職サイトやホームページでは公開していない非公開求人も紹介してくれる可能性もあります。ここでは、簿記1級取得者の転職に強いエージェントについて紹介します。

WARC AGENT|ハイクラスのプロフェッショナル人材と企業を繋ぐ

WARC AGENTは、キャリアアップや収入増を望む求職者が集まる転職エージェントです。

特徴的な点は、企業が直接、求職者にスカウトを送ることができるシステムにあります。求職者のスキルや経験に興味を持った企業は、積極的にスカウトを行い、理想的な候補者を見つけやすいという利点があります。また、求職者は専門のキャリアコンサルタントのサポートを受けており、そのアドバイスに基づいて転職活動を行っているため、質の高い人材が多いのが特徴です。

高収入層やキャリアアップを目指す人材が多く登録。専門職やスペシャリスト向けの求人にも強みを持つこのエージェントは、高年収や給与アップを目指す求職者に適しています。

サービス名

WARC AGENT

公式ホームページ

https://agent.warc.jp/

主なサービス

求人検索
スカウトメール
ハイクラスユーザー向けの特設サイト
転職お役立ち情報掲載 など

求人掲載件数

139,100件(2023年11月)

料金

無料

特徴

自分に合った転職エージェントを検索できる

運営会社

株式会社マイナビ

マイナビ転職エージェントサーチ|掲載数70,000件以上

マイナビ転職エージェントリサーチは、株式会社マイナビが運営しており、500名以上の転職エージェントや採用企業を通して、自分に合った求人を探せるポータルサイトです。

サービス名

マイナビ転職エージェントリサーチ

公式ホームページ

https://mynavi.agentsearch.jp/

主なサービス

求人検索
転職お役立ち情報掲載 など

求人掲載社数

500社(2024年1月)

料金

無料

特徴

  • 年収600万以上の方に支持
  • 1/3の求人が年収1,000万以上
  • ベンチャー・上場企業の管理部門の案件多数

運営会社

株式会社マイナビ

レックスアドバイザーズ|会計・税務に強い転職エージェント

レックスアドバイザーズは、会計・税務系に特化した「専門特化型エージェント」です。

サービス名

レックスアドバイザーズ

公式ホームページ

https://www.career-adv.jp/

主なサービス

求人検索
転職成功のノウハウ掲載
面接対策
選考スケジューリングサポートなど

求人掲載件数

約35,000件

料金

無料

特徴

管理部門・士業に強い、特化型人材紹介会社

  • 管理部門:経理・財務、経営企画、会計・税務
  • 士業部門:会計士、税理士、弁護士、弁理士

運営会社

株式会社レックスアドバイザーズ

簿記1級を取得し年収アップを目指そう

簿記1級取得者の平均年収は、業界や地域により異なるものの、一般的には高い傾向にあります。この資格を取得することで、会計や財務の分野でのキャリアチェンジやキャリアアップが可能となります。

簿記1級は高度な会計スキルを証明できるものであり、大手企業などでは需要があります。経理職や財務部門での職務経験を積みながら、この資格を取得することで、専門的なスキルを身につけ、より高い給与水準や管理職のポジションを目指せきます。

また、簿記1級は公認会計士試験の土台固めや税理士試験での足がかりとなります。段階的にステップアップし、将来は公認会計士や税理士へキャリアチェンジを目指すことも可能です。

ただし、合格率10%前後の狭き門であり、多くの勉強時間がかかり誰でも取得できる資格ではないことも事実です。自分がどのようになりたいか将来像をしっかり見据えたうえで、「簿記1級を目指したい!」と思ったら全力で頑張ってみてください。

著者画像

株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。