社労士は難易度の高い国家資格であり、働き方改革などの影響から需要が拡大している職業です。資格取得後、開業したり、企業の人事部や労務部での活躍など、キャリアアップが期待できる資格として広く人気を集めています。
この記事では、社労士の平均年収や業務内容、年収向上の方法についてご紹介します。社労士として更なる高みを目指す方や、将来的に社労士としてのキャリアを築きたい方は、ぜひ参考にしてください。
社労士とは、正確には「社会保険労務士」のことであり、社会保険労務士法に基づく国家資格及びその取得者を指します。社労士は人材に関する専門家であり、労働・社会保険関連の国家資格は社会保険労務士だけです。行政書士や労務管理士でも、社労士の業務を行うことは許されません。
企業内で従業員数が10人を超える場合、就業規則の作成が法的に義務づけられます。ただし、就業規則の作成には人事や労務の法的知識が必要であり、通常、企業は社労士にその役割を委託します。
社労士の雇用により、企業は人事や労務に関連する問題を未然に防ぎ、適切な対応を行うことで健全な経営を維持できます。このように、社労士は企業にとって非常に需要の高い役割を果たしています。
社労士になるためには、年に1回行われる社労士試験に合格し免許を取得する必要があります。社労士の資格は取得すれば一生有効ですが、国家試験に合格しただけでは社労士として活動することはできません。合格後、実務経験を2年積み、全国社会保険労務士会連合会の登録を行う必要があります。
社労士が主に担当する業務は以下のとおりです。
社労士の業務領域
具体的な業務には、労働保険の書類作成や雇用保険への加入手続きなどが含まれます。上記のような業務は広範であり、1号業務から3号業務に分類されています。
1号業務と2号業務は社労士の専門業務であり、社労士以外がこれらを行うことは認められていません。これらを他者が担当すると罰則が生じます。3号業務は専門業務ではなく、社労士でなくても取り組むことができます。
社労士の年収は、企業で働く社労士と独立開業する社労士で異なります。社労士の20%は企業に勤務し、80%は独立開業しているとされ、開業社労士が圧倒的に多い傾向にあります。
企業に就職または転職し、労務部門で働く勤務社労士の場合、平均年収は約600万円(※1)から700万円程度と考えられます。企業の規模によって異なりますが、一般の社員と比較して、約100万円から300万円ほど高い給与が期待できるでしょう。
(※1)参考:求人ボックス
社労士の資格を取得した後、独立して社会保険労務士の業務を行う開業社労士のことを指します。開業社労士の平均収入は通常、400万円(※2)から500万円と言われていますが、個々の事例によっては300万円から1,000万円以上まで幅広い収入があります。平均年収は一般のサラリーマンとそれほど変わりませんが、個々の能力によっては高い収入を目指すことが可能です。
年齢別に社労士の年収を比較してみると、年齢が上がるにつれて年収が上がっていることがわかります。
年齢 | 年収 |
---|---|
20代 | 380〜480万円 |
30代 | 420〜600万円 |
40代 | 550〜750万円 |
50代 | 690〜800万円 |
社労士という職業は、経験や実力・実務経験の差が給与にも反映される傾向があります。
社労士の年収は個人の実力により異なります。では、社労士が年収を向上させるためにはどのような方法がありますか。
社労士の年収向上の手段
1号・2号業務は社労士の独占業務であり、社労士特有の権限を利用してこれら業務に重点を置くことが一般的です。3号業務のコンサルティング業務にも取り組むことで、社労士としてのスキルを広げることができます。企業の人事、労務、社会保険に関する業務に加えて、企業コンサルティングも提供できる社労士としての幅を広げることで、年収アップの可能性があります。
現在の給与や待遇に不満を感じる勤務社労士や開業社労士は、より良い待遇や年収を提供する職場に転職することが選択肢となります。一定の実務経験を積んだ後であれば、良い条件での転職も実現可能でしょう。
独立開業により必ずしも年収が上がる保証はありませんが、上限が存在しないため、努力次第では現在の年収を超える可能性があります。開業社労士の収入は顧問契約の獲得に大きく影響されるため、営業スキルや人脈も重要です。
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