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2024/10/22 更新

簿記2級が転職に有利?未経験でも狙える転職先と平均年収を紹介

未経験の人が経理や財務などの事務職にチャレンジしようと考えると、「簿記2級を取るべきかどうか?」という疑問が頭をよぎることがあるでしょう。

この記事では、事務未経験の人でも転職活動を成功させるために、簿記2級を取ることのメリットを紹介します。未経験の人であっても、簿記2級の取得はさまざまな業界でのチャレンジする際に有利となるため、ぜひ最後まで読んで、簿記2級の取得を目指してみてください。

日商簿記2級とは?

簿記の資格には、日商簿記、全商簿記、全経簿記の3つの検定が存在します。このなかで、転職や就活において最も有利とされているのは、日本商工会議所が主催する日商簿記です。

日商簿記には1級、2級、3級、簿記初級、原価計算初級の5つの資格があり、特に1級と2級は難易度が高い資格といわれています。さらに、日商簿記は社会人向けの簿記資格であり、実務で実際に役立つ実用的な知識を身につけることができます。

中小規模の企業で経理職を務めるために必要なレベルは?

簿記2級は、基本的な商業簿記だけでなく、工業簿記の知識も習得できるため、中小企業の経理職として即戦力として活躍できます。

簿記2級を取得することで、財務諸表の数字から経営内容を把握するスキルを身につけることができ、実務でそのスキルを活かすことが可能です。また、財務諸表の数字を用いて経営内容を把握し、会計実務で適切な処理や分析を行うスキルを身につけることで、即戦力としての地位を確立できるでしょう。

簿記2級の難易度

転職市場において、「簿記」といえば一般的に日商簿記が注目されています。

日商簿記の合格率は、初心者にはやや難易度が高く、20%〜30%程度です。日商簿記3級を持つ多くの人は、勉強時間を200時間〜300時間、未経験から日商簿記を学ぶ場合には300時間から500時間程度必要だといわれています。

最近では、資格勉強のための通信教育講座もあるので、時間が限られている人には効率的に勉強することをおすすめします。

簿記2級を持つ人の平均年収

日商簿記2級を取得した人の年収は、事務未経験の場合、約250万円〜350万円程度です。一方、1年以上の事務経験がある場合、年収は約300万円〜480万円程度とされており、実務経験の有無や経験年数に応じて年収が変動します。

ただし、日商簿記2級では工業簿記の知識も習得できるため、最初は年収が低くても、経験を積むことで将来的に高い年収を目指すことができるでしょう。

簿記2級が転職の切り札になる?

簿記2級が転職に役立つのは事実です。「なぜ簿記2級があると転職の​​切り札になるのか」しっかりと理解し、モチベーション高く簿記2級取得に向けて努力しましょう。

1. 企業から最も求められる資格の1つ

企業にとって、経営状況を分析できるスキルを持つ人は重要です。簿記2級の取得者は、企業から「経理に関する知識を備え、企業の経営状況を的確に判断できる人」と見なされ、転職市場で高く評価されることがあります。そのため、履歴書に簿記2級を記載するだけでも、採用の可能性が高まり、転職に有利になるでしょう。

経理職は企業規模に関係なくどの企業でも欠かせない職業です。転職の選択肢を広げるためにも、簿記2級の取得をおすすめします。

2. 実務経験がなくてもスキルを証明できる

転職市場には経理経験者だけがいるわけではありません。そのため、企業は実務経験がない人のなかでも、簿記2級の取得者を求めることがあります。

簿記2級では、実務経験がなくても企業経営に関する一貫した知識を身に付ける機会があるため、実務で即戦力として活躍することができます。そのため、簿記2級の取得は、「実務経験がなくても企業経営を理解している」という証明となり、転職市場で有利になると考えられます。

3. 転職の選択肢が広がる

簿記2級を持っていると、経理職以外の職業へのチャレンジも可能です。

簿記2級は、経理に関する知識だけでなく、企業全体のお金の動きを理解するスキルを学ぶことができます。そのため、経理以外の職業、たとえば営業やマーケティングなどでも高く評価されることがあります。

さらに、正確な経営判断のスキルを獲得することができるため、経営管理などハイレベルのポジションを狙うことが可能です。

4. 給与や待遇が向上する

多くの企業が資格手当を支給しており、簿記2級も支給対象となることが一般的です。

資格手当の平均額は、月1,000円〜5,000円程度です。簿記2級を持っていると、基本給に加えて資格手当を受け取ることができるため、転職しなくても給与アップが期待できます。

さらに、簿記2級を活かして高度な業務に携わる機会も増えるため、社内での昇給や昇進のチャンスも高まり、給与や待遇が変わるでしょう。

5. 自己アピールの武器になる

簿記2級の資格を持っていると、経理の知識があることを企業にアピールできます。

転職市場では、経理職に転職を希望する候補者が多数います。その中で、ほかの候補者とは違うということをアピールするには、ある程度の経理知識やスキルを証明することが求められます。この点で、簿記2級の取得は、「私には経理知識があります」と自信を持ってアピールできる手段となり、転職活動における有力な武器となるでしょう。

簿記2級で狙える転職先は?

簿記2級を持っていると、どのような転職先を狙うことができるのでしょうか?以下では、簿記2級の資格を活かして選べる転職先を紹介します。これから紹介する転職先を見て、自分に合った業界・企業を目指してください。

会計事務所・税理士事務所

会計事務所・税理士事務所での業務には、個人事業主の経理や税務手続きを代行する仕事が含まれるため、簿記2級の知識が役立ちます。

さらに、簿記2級の取得者は、公認会計士や税理士のサポート業務にも携わる機会が増え、企業からも高く評価されることがあります。

そのため、簿記2級を持つことで、これらの職業への転職が可能となります。

経営コンサルティング

経営コンサルティングの仕事では、顧客の企業経営に関する課題を解決するためのコンサルティングを行うため、簿記2級の知識を活かすことができます。

経営コンサルタントの主な仕事は、企業経営に関する戦略や専門知識を用いたアドバイスを行うなど、企業の経営活動には幅広い知識が必要です。その際に簿記2級で身につけた知識とスキルが役立ち、経営コンサルティングを転職先として検討することができるでしょう。

企業の経理・総務

経理の役割は、企業のお金の流れを管理することです。帳簿の記帳、伝票の作成、入出金の管理などが含まれます。決算時には、企業の財務状況を要約した財務諸表を作成するなど、簿記2級で身につけた知識を活かす業務が多いです。

総務は、企業の資金調達や銀行からの融資など、将来の企業経営に関わる仕事です。

これらの職業では、お金の流れや企業経営について深い理解が求められます。そのため、簿記2級を持っていると、企業から高く評価され、転職の際に有利なポジションを狙いやすくなります。

金融関連

銀行や投資銀行など、特に法人向けの金融業界でも、簿記2級のスキルを活かすことが可能です。

簿記2級では、金融業界で必須となるお金の動きに関する知識が含まれているため、金融業界で必要な知識を身につけることができます。そのため、転職が狙いやすいです。

また、銀行業務では、預金取引、融資取引、振込や口座振替など、為替業務がメインです。一方、投資銀行は証券業の一種で、主に法人の資金調達や企業買収を支援するため、会計や財務に関する知識は欠かせません。この理由から、金融業界は簿記2級を取得した人にとっておすすめの転職先といえます。

営業職

営業職では、商品やサービスの販売だけでなく、企業の収益を増やすために売上や利益に関する財務情報を理解する必要があり、簿記2級で習得した知識が役立ちます。

営業担当者は、お客様との対話から課題を把握し、商品提案、販売、サポートを提供する役割を果たします。この過程で、売上原価や利益を考慮しながら提案を行う必要があるため、簿記2級で学んだ原価計算の知識も有用です。そのため、営業職への転職にも簿記2級は有利となります。

簿記2級からさらにステップアップするための資格

簿記2級よりも難易度の高い資格について紹介します。簿記2級より難易度の高い資格を取得することで、転職市場でのさらに有利になり自分の強みにつながるため、ぜひチャレンジしてみてください。

1. 日商簿記1級

日商簿記1級は、簿記検定の中でも最も難しいとされ、合格率はわずか10%程度です。

この経理関連の資格は特に高い難易度で知られており、合格することは就職や転職において有利となります。また、高度なスキルや知識を持っていることを証明するものであり、昇進や給与の向上にも寄与する可能性があります。

日商簿記2級を取得している方は、モチベーションを保ちつつ1級を目指すことができるため、ぜひチャレンジしてみてください。

2. BATIC(国際会計検定)

BATIC試験は、国際的な会計基準や英語を使用した会計処理の知識を要求します。このため、BATICの資格を取得することは、国内外問わず経理職に就く際に大きなメリットとなります。さらに、外資系企業への転職にも有利ですので、転職の選択肢を広げたい方におすすめです。

BATIC試験に合格するには、会計・経理の知識だけでなく、英語力も必須となります。すでに簿記2級の取得者は会計の基礎知識があるため、勉強がしやすいです。

3. 公認会計士

公認会計士は、会計監査の専門家として高度な業務を担当する職業です。

会計関連の資格の中で、最も高度なレベルに位置づけられています。この職業で特に有名な業務は「財務諸表監査」であり、これは公認会計士だけが行うことができる専門業務です。

簿記2級の知識は、公認会計士の資格を追求する際の基盤となるため、効果的な学習のスタート地点となります。簿記2級で身に付けた知識を活かし、公認会計士の資格取得を目指してみてください。

4. 税理士

税理士資格も公認会計士と同様に、高難度の資格です。税理士の受験資格には「日商簿記検定1級合格者」が含まれています。

簿記2級を取得済みであれば、簿記1級の勉強や税理士試験の準備にも、会計の基本的な知識があるためスムーズに取り組むことができます。

最初に簿記1級の取得が必要ですが、将来の目標があると学習へのモチベーションも高まります。ぜひ税理士の資格取得を目指してみてください。

5. 中小企業診断士

中小企業診断士の試験には、計算や選択問題が含まれる7科目があり、その中には財務・会計の科目があります。

これは計算や選択問題を通じて財務諸表の誤りを見つけるなど、簿記2級の知識を活かせる試験です。そのため、中小企業診断士の資格は、簿記2級を取得していると非常に有利な資格といえます。

また、中小企業診断士の資格は、公認会計士や税理士の資格よりも比較的難易度が低いとされているため、資格を取得したいと考えている方にとっては取り組みやすい試験といえるでしょう。

6. ファイナンシャルプランナー(FP)

簿記2級を取得した後、多くの人が目指す資格がファイナンシャルプランナー(FP)です。

FP資格は、簿記2級で身につけた会計知識を活かしながら、家計に関わる金融、税制、不動産、保険など幅広い分野について学ぶことができるため人気があります。

簿記2級は主にビジネス関連の知識を強化する資格ですが、FP資格は家庭のお金に関する知識を深めることができるため、将来に備えてお金に関する勉強がしたいという人におすすめの資格です。

経理の転職は時期を見極めることが重要

以下では、経理の転職におすすめのタイミングについて紹介します。転職のタイミングは、成功に大きな影響があるため、経理を目指す人はぜひ参考にしてください。

狙い目は決算期の1~2カ月前

企業の経理部は、年度末の決算時に最も人手が必要となるため、多くの企業がこの時期に新しい人材を求めています。

そのため、経理への転職を検討している人にとって、決算期前は有利なタイミングです。

希望する会社の決算期を調べ、その2か月前から求人情報を積極的にチェックすることをおすすめします。

株主総会が終わる6~7月

求人が多くなる時期が、6月〜7月です。この期間は、半期決算・中期決算が近づいており、求人が多くなると予想されます

経理職の求人は、決算期を過ぎると急激に減少することがあるため、定期的に求人情報を確認し、見逃さないよう心がけましょう。

さらに、未経験から経理職への転職を検討している方は、この時期に転職活動を始められるよう、できるだけ早く簿記2級などの資格を取得し、準備を進めておくことをおすすめします。

簿記2級の取得は転職やキャリアアップのカギとなる

簿記2級は、経理職の転職において非常に有利です。経理の仕事は、企業の経営状況やお金の流れに関する知識が欠かせません。簿記2級の取得は、経理未経験でも「私は経理に関する知識を持っています」というアピール材料となります。

簿記2級を取得するには時間がかかりますが、諦めずに学び続ければ、キャリアの向上や転職活動に大いに役立つことでしょう。ぜひ、チャレンジしてみてください。

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WARCエージェントマガジン編集部

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