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2024/09/11 更新

情報セキュリティマネジメント(SG)とは|難易度と合格に向けたポイントを解説

情報セキュリティマネジメント(SG)について、耳にしたことはあっても詳しい内容を知らない人は多いでしょう。この試験の内容や勉強におけるポイントを理解すると、一度の受験で合格に近づける可能性が高まります。

この記事では、情報セキュリティマネジメントの難易度や、合格のポイントについて解説します。

情報セキュリティマネジメント(SG)の概要

情報セキュリティマネジメント(SG)は、2016年に経済産業省によって認定された新しい国家資格です。現在、あらゆる企業が情報漏洩やサイバー攻撃などのリスクに対処する必要があります。しかし、情報セキュリティの確保は単にIT技術に頼るだけでは不十分です。情報の管理や業務フローの確認は、人間にしかできない対策です。そのため、情報セキュリティマネジメントは、現代の要請に応じてITの危機管理スキルを向上させることを目的とした試験として誕生しました。

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「情報セキュリティマネジメント試験」

情報セキュリティマネジメント(SG)試験の詳細

情報セキュリティマネジメント(SG)についての基本的な理解を得たら、試験の進行に興味を持つ方もいるでしょう。この試験は、情報セキュリティの基礎的な知識を、受験者が自分の都合の良い時間に試すことができるものです。

情報セキュリティマネジメント(SG)の試験概要について

情報セキュリティマネジメント(SG)の試験概要は、以下の通りです。

  • 受験資格 なし
  • 試験日 コンピュータを用いて行うCBT方式により、年間を通して随時実施
  • 会場 47都道府県の主要都市
  • 手数料 7,500円(税込)
  • 試験時間 120分
  • 出題形式 科目Aと科目Bの多肢選択式(科目Aは四肢択一)
  • 出題数 全60問

試験日は年間を通して随時実施される上、会場は全国にあるため自身の好きなタイミングで受験できます。また、受験手数料の7,500円は受験予約時の支払いなので、あらかじめ準備が必要です。出題形式の科目AとBにおける詳しい内容については、次の節で解説します。

情報セキュリティマネジメント(SG)試験の出題内容について

情報セキュリティマネジメント(SG)は、2つの科目から全60問出題されます。出題内容を知り、具体的にどのような分野を勉強する必要があるのか大まかな見当をつけましょう。

・科目Aの出題内容

科目Aでは情報セキュリティの考え方やネットワーク、システム監査などの知識が問われます。科目Aで出題される重点分野や、関連分野は以下のとおりです。

重点分野

  • 情報セキュリティ全般 機密性・完全性・可用性、脅威、脆弱性、サイバー攻撃手法、暗号、認証など
  • 情報セキュリティ管理 情報資産、リスク、ISMS、インシデント管理などの各種管理策、CSIRTなど
  • 情報セキュリティ対策 マルウェア対策、不正アクセス対策、情報漏えい対策、アクセス管理、情報セキュリティ啓発など
  • 情報セキュリティ関連法規 サイバーセキュリティ基本法、個人情報保護法、不正アクセス禁止法など

関連分野

  • テクノロジ ネットワーク、データベース、システム構成要素
  • マネジメント システム監査、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント
  • ストラテジ 経営管理、システム戦略、システム企画

科目Aは全60問のうち48問を占め、中でも重点分野からの出題が多いとされています。出題内容が幅広いため、科目Aから優先的に学習すると得点に繋がりやすいでしょう。

科目Bの出題内容

科目Bでは科目Aの知識を前提として、情報セキュリティ管理のケーススタディが出題されます。出題形式は科目Aと同じく多肢択一式ですが、科目Bのメインは1から2ページにわたる長文読解問題です。問題数は12問と科目Aより少ないものの、問題文を読んでいるだけでも時間がかかります。過去問でのシュミレーションや、科目Aの知識定着による対策が重要となるでしょう。

情報セキュリティマネジメント(SG)の難易度について

情報セキュリティマネジメント(SG)の難易度は、試験の合格率から読み取れます。試験の主催団体(※1)によると、令和5年度における月ごとの合格率は以下の通りです。

  • 4月 76.2%
  • 5月 78.2%
  • 6月 72.4%
  • 7月 73.3%
  • 8月 75.5%
  • 9月 72.6%

ほかの情報処理技術者試験には合格率20%を切る検定も多い中、情報セキュリティマネジメントは毎月70%以上を記録しています。7割を超える合格率から、IT系試験の中でも難易度の低い検定といえるでしょう。

また、次章では類似試験との比較による難易度を解説します。

(※1)参考:独立行政法人 情報処理推進機構「情報処理技術者試験 統計資料」

異なる試験の難易度比較

IT系の試験には似た名前のテストが多くあり、どれを受験すべきか選ぶのは簡単ではありません。主な類似試験の難易度を比較し、自分に適したテストを見つけるための手がかりとしましょう。

ITパスポートは一段階易度が低い

ITパスポートの難易度は、情報セキュリティマネジメントよりも一段階易しい、つまりレベル1に位置します。全4レベルの試験の中で最も易しい部類に入り、情報処理や広範な分野の知識が必要です。ITの基本的な知識を身につけたい方や、バックオフィス職との連携が必要な職務の方に適しています。

基本情報技術者試験は同じレベル

基本情報技術者試験の難易度は、情報セキュリティマネジメントと同じくレベル2に分類されます。ICTや情報処理分野の知識を証明できる国家資格であり、基本的なプログラミングスキルと自己遂行能力が必要です。IT業界の基本的な知識に自信があり、プログラミングのスキルを向上させたい方に向いています。

応用情報技術者試験は一段階難易度が高い

応用情報技術者試験の難易度は、情報セキュリティマネジメントよりも一段階難しい、つまりレベル3に位置します。応用情報技術者試験もICTや情報処理分野の知識を証明する国家資格であり、基本情報技術者試験よりも高度なシステム開発のスキルが必要です。プログラミングの基礎がしっかり身につき、実技スキルを向上させたい方におすすめでしょう。

情報セキュリティマネジメント(SG)の資格の利点

情報セキュリティマネジメント(SG)の試験の難易度を理解したところで、資格を取得するメリットに興味があるのではないでしょうか。ジョブチェンジや知識向上だけでなく、習得したスキルを実践できることを理解しましょう。

より高度な専門知識を得られる

情報セキュリティマネジメントを取得すると、より高度な専門知識を得られます。前述の通り、情報セキュリティマネジメントは関連する試験の中で難易度が比較的低い部類です。この資格を取得することで、ITの基礎知識を身につけ、上級の試験を目指すための基盤を築くことができます。自分の実力に合った試験から始め、徐々に難易度を上げていくと、将来的にはIT分野のエキスパートとしての地位を築くことができるでしょう。

就職・転職時にアピールポイントできる

情報セキュリティマネジメントを取得すると、就職や転職時にアピールポイントとなります。IT技術に詳しい人材でも、セキュリティが不足していると機密データの漏洩などが危険です。今後はセキュリティにも注意が必要であり、情報セキュリティマネジメント試験の取得は危機管理への知識を有する人材としての評価につながります。

自己防衛の一環となる

情報セキュリティマネジメントの内容は個人の生活にも応用でき、自己防衛の一環となります。現代ではスマートフォンやパソコン、タブレットなどのデバイスが日常生活で欠かせませんが、その利便性と同時にウイルス感染や情報漏洩のリスクも潜んでいます。情報セキュリティマネジメント試験で危機管理のスキルを身につければ、万が一の際にも自分で問題に対処できるようになるでしょう。

情報セキュリティマネジメント(SG)合格の鍵

情報セキュリティマネジメント(SG)の試験に挑戦する場合、できるだけ一度の受験で合格したいと思うはずです。合格のポイントを知り、日々の学習に役立てましょう。

指導校の講座を利用する

自分だけでの試験対策に自信がない場合は、指導校での講座受講がおすすめです。指導校は企業が運営する社会人セミナーで、情報セキュリティマネジメント試験の講座も多く用意されています。指導校のセミナーは学習のポイントが凝縮された内容であり、独学が苦手な方にもおすすめです。また、ウェブ上でアクセスできるセミナーも充実しているため、仕事の合間や遠方に通う手間をかけずに受講できます。

過去問に取り組む

試験の傾向に慣れたい場合は、無料で公開されている過去問を使って感覚を身につけるのが効果的です。試験の問題には一定のパターンがあり、出題内容は大きく変動しません。最新の過去問から順に解いていくと、間違った問題の解説を理解することが大きな得点につながります。また、試験時間内に解く練習も重要であり、本番のシミュレーションとしても効果的です。

要点を中心に学習する

科目Aの対策では、要点を中心に学習し、基礎を身につけることがおすすめです。科目Aの要点は以下の4つになります。

  • 情報セキュリティ全般
  • 情報セキュリティ管理
  • 情報セキュリティ対策
  • 情報セキュリティ関連法規

受験が忙しい社会人でも、試験対策に追いつかない状況になっても、焦らずに要点を中心に学習して得点につなげましょう。科目Aの分野は情報セキュリティマネジメント試験の基礎であり、科目Bの攻略にもつながります。

CBT方式や長文読解に慣れる

科目Bの長文読解やCBT方式の解き方も、情報セキュリティマネジメント試験の合格において重要です。科目Bは科目Aと同じく多肢択一式ですが、文章の長さから解くのに時間がかかります。過去問や問題集を解きながら、実際の試験時間内での解答練習を行うと、本番の模擬試験にもなるので効果的です。また、CBT方式ではコンピュータを使用するため、選択肢の絞り込みや文章への書き込みができないことに留意する必要があります。

情報セキュリティマネジメント(SG)試験に合格しよう

情報セキュリティマネジメント(SG)は取得すると、就職や転職、個人での利用に役立ちます。ただし、試験方式が独特なため、本番前のシュミレーションや学習の掘り下げが肝心です。

情報セキュリティマネジメント試験の内容をマスターし、一度で合格できるように日々準備を進めましょう。

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