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2024/09/11 更新

簿記1級 メリットとは?取得の魅力とオススメの対象者、資格を生かした就職・転職先を解説!

簿記1級のメリットについて

簿記1級は、会計と財務の専門家を示す資格であり、取得が難しい資格の一つです。通常、簿記1級は日本商工会議所が主催する日商簿記検定試験(日商簿記)の最上位資格を指します。この資格は2級や3級に比べて取得者が少なく、高い専門性が認められており、社会人や学生にとって多くのメリットがあります。簿記1級は難易度が高いため、十分な準備が必要です。ここでは、簿記1級のメリットについて詳しく説明します。

税理士試験の受験が認められる

簿記1級資格を取得すると、税理士試験の受験資格を獲得することができます。これは税理士試験になるための重要なステップであり、経理・会計の深い知識が求められます。税理士は法人や個人の税務アドバイザーとして活躍し、高収入の職業のひとつでしょう。

税理士試験の受験資格は4種類あり、「学識」「資格」「職歴」「認定」になります。どれか1つでも満たせば受験資格が認められます。その中でも、簿記1級は「資格」にあたり、日商簿記1級の合格者は税理士試験の受験資格を得ることが可能です。

令和5年度(2023年度)からは条件が緩和され、より多くの人がチャレンジできるようになりました。税理士は簿記1級を取得しなくてもなれますが、簿記1級レベルの知識を持っていないと合格は難しいとも言われています。簿記1級は、税理士試験の必須科目の簿記論と共通する部分が多いです。また、財務諸表論の内容にも関連しているため、簿記1級合格レベルの知識があれば、この2科目に対応する知識は簿記1級を取得することで身につけることができます。

簿記1級の合格は、税理士試験への挑戦を可能にし、キャリアの幅を広げる重要な資格です。

職業能力開発促進法の指導員資格試験で一部科目が免除

簿記1級を取得すると、職業能力開発促進法の指導員資格試験の一部科目が免除されます。

職業能力開発促進法の指導員資格試験とは、職業訓練や教育の分野で指導者として活動するための資格を取得するための試験のことです。試験に合格することで、職業訓練機関や教育機関での指導者として働く資格を得ることができます。

日商簿記1級保有者は、本来受験すべき事務科の一部科目の免除により、指導員資格試験の受験負担や時間を削減でき、指導員としての資格を迅速に取得する道が開かれるでしょう。また、指導員としての資格は職業訓練や教育分野でのキャリアを築くために重要であり、簿記1級資格が取得に向けた障壁を下げ、職業訓練や教育分野でのキャリアを迅速に構築するのに役立ちます。

年収の増加が狙える

簿記1級の資格を持つことは、転職において年収の増加を狙うために非常に有利です。資格を持つことで、経理・財務分野での専門知識とスキルを証明し、競争力を高めます。これにより、求人市場での価値が向上し、高給与ポジションを狙えるでしょう。また、簿記1級は経理部門や財務部門での昇進の機会を拡大し、管理職や高度な職種への転職が可能となります。総じて、資格取得はキャリアにおける収入向上に大きく寄与します。

新卒で大企業の経理や財務に就職しやすい

簿記1級の取得は、新卒者が大企業の経理や財務部門に就職する際に非常に有利です。この資格は高度な経理スキルと財務知識を示すものであり、大企業は経理職に採用する際に経験に加えて資格を重視します。簿記1級を持つ候補者は、財務諸表の作成、予算編成、税務申告などの業務に対する準備が整っていると見なされ、スムーズに業務に取り組むことができます。

また、大学での勉強以外に簿記1級を取得するために継続的に学習に取り組んできたという証であり、将来性があると評価される可能性が高いです。大学卒業後に経理や財務を目指したいと考えている人にとっても簿記の勉強は効果的でしょう。ほかにも、履歴書の資格欄に、簿記1級と記載できる点もメリットになります。そのため、新卒者が大企業の経理や財務ポジションを狙う場合、簿記1級資格を取得することは非常に有益であり、競争力を高めるでしょう。

大学の推薦入学で有利

簿記1級の資格を保有するメリットは、大学の推薦入学で有利になります。1級だけでなく、2・3級でも日商簿記を持っていると優遇される大学もありますが、なかでも1級を持っているとより有利になるケースが多いです。

簿記1級がメリットになる理由は、この資格が会計や財務関連の専門知識を証明するものであり、推薦入学の試験において、財務会計、経営戦略、財務分析などの分野における高度なスキルと専門知識を示し、入学審査で有利なポイントとなります。

さらに、経済や経営学を学ぶための強力な基盤を提供し、学業での成功に寄与するはずです。したがって、簿記1級資格は大学の推薦入学プロセスで優れた選択肢を提供し、候補者を他の志願者と差別化させる役割を果たします。

税理士に頼らなくても良い

簿記1級のメリットのひとつは、独立や起業時に税理士に頼らずに経理や財務の基本を理解し運営できることです。資格を持つことで、収支の記録、帳簿の管理、納税申告などを自身で行えるため、コスト削減や迅速な意思決定が可能となります。また、税制や財務戦略に関する専門知識を持つことで、効果的な節税戦略を立てたり、経済的な判断を行う能力が向上するでしょう。これにより、起業家や独立後は財務のトラブルを最小限に抑え、ビジネスの持続的成功に貢献できます。

簿記1級を取得すべき人

簿記1級の資格をおすすめする対象者には、様々な方がいます。

大企業・メーカーに勤務の人

大企業やメーカーで働いている方にとっては簿記1級が有益です。この資格は財務、会計、税務などの専門知識を身につけ、経理部門での信頼性を高めることが期待されます。特に、工業簿記や原価計算の理解は製造業で重宝され、連結会計の知識も大企業での業務に貢献します。大手企業での経理・財務キャリアに興味がある方には、簿記1級が重要な資格となり、職業上の成功に寄与しるでしょう。

大手企業・メーカーへの転職希望者

転職を検討している方も、大手企業やメーカーに関心がある場合、簿記1級を取得することで履歴書や面接での競争力を向上させ、採用された場合は経営判断にも参加できるチャンスが増えます。また、待遇の良い企業経理に転職でき、昇進の機会も増加します。経理・財務分野でのキャリアにおいて、簿記1級は非常に価値が高く、転職時に優れた機会に恵まれるでしょう。

税理士になりたい人

税理士を目指す方にも簿記1級は強くおすすめです。この資格は税務や会計の基礎知識を提供し、税理士試験の受験資格を得ることができます。税務法、財務報告、帳簿管理に関する深い理解を養い、税理士としてのキャリアにスムーズに進む手助けとなるでしょう。節税戦略の策定やクライアントの信頼性向上にも寄与し、税理士としての成功への一歩となります。

起業・フリーランスでの独立を考えている人

起業やフリーランスで独立を考えている方も簿記1級を検討する価値があります。独立したビジネスを運営する際、収支の記録や予算編成、財務申告が不可欠です。簿記1級を保有していれば、これらの業務をスムーズに行え、法的かつ効果的な節税戦略も展開できます。起業やフリーランスを考える際、ビジネスの財務面を理解することは成功の基盤となり、失敗リスクを低減させる要素となるでしょう。簿記1級は、起業やフリーランスとしてのキャリアにおいて不可欠なスキルとなります。

簿記1級の資格を有利に活かした就職・転職先について

企業の経理部門に就職した場合、将来的には管理職やリーダーに昇進する際にも、簿記1級の知識が非常に有益です。これは企業のビジネスモデルや戦略を理解し、大いに役立てることができます。ここでは、簿記1級の資格を活かした就職・転職先について解説するので、参考にしてください。

大手企業での経理

大手企業の経理です。大手企業の経理の仕事は、複雑な会計帳簿の管理や財務報告の作成、予算編成、財務分析、税務申告などが含まれます。簿記1級のスキルはこれらの仕事において大いに役立ち、大手上場企業での就職・転職に有利となるでしょう。

会計事務のスタッフ

会計事務所のスタッフとしてのキャリアです。会計事務所では、企業や個人に対して会計・税務関連のサービスを提供します。簿記1級の資格を持つことで、会計事務所の一般スタッフとして就職・転職することが可能であり、将来的には税理士資格の取得にもつながるはずです。

大手税理士法人

大手税理士法人も簿記1級を活かした就職・転職の先として考えられます。これは、企業や個人に対して税務関連のアドバイスやサービスを提供する組織であり、高度な税務専門知識を必要です。簿記1級のスキルは、税理士法人での業務において大いに役立ちます。昇進の機会も豊富であり、経理・財務の実務経験を積むことでキャリアの発展が期待できるでしょう。

財務系コンサルティングファーム

財務系のコンサルティングファームも魅力的な就職・転職先となります。これは、企業や組織に対して財務分野に関する専門的なアドバイスを提供する組織であり、財務アナリストやコンサルタントとしての役割が求めらるでしょう。簿記1級はそのような職種において非常に有益であり、高度な専門知識を持つ専門家としての成功への道を開いてくれるはずです。

簿記1級資格者の就職・転職に強いエージェント3選

簿記1級資格者の就職・転職にはエージェントに相談するのが早道です。エージェントであれば特定の業界や資格に関する専門知識と幅広い業界ネットワークを持っており、資格保有者に適した求人情報を提供できるでしょう。また、簿記1級資格を活かしたキャリア目標にあったアドバイスやキャリアプランの策定を支援してくれます。以上を踏まえて、簿記1級資格者の就職・転職に強いエージェントについてご紹介します。

①ジャスネットキャリア|転職サポートが充実

ジャスネットキャリアは、公認会計士や税理士、経理の転職を中心に取り扱う転職エージェントのひとつです。

サービス名

JUSNET CAREER(ジャスネットキャリア)

公式HP

https://career.jusnet.co.jp

主なサービス

求人検索
経理全般がわかる情報コンテンツの提供
経理のスキルアップ動画講座
働き方診断が受けられるサービス
自分の市場価値がわかる年収診断 など

求人掲載件数

公開求人数3,222件(2023年10月時点)

料金

無料

特徴

公認会計士や税理士、経理の転職に特化

運営会社

ジャスネットコミュニケーションズ株式会社

参考:JUSNET CAREER(ジャスネットキャリア)

②パソナキャリア|経理のハイクラス転職

『パソナキャリア』は、人材派遣で有名な「パソナ」の社内カンパニーです。

2007年に日本で初めて47都道府県を拠点とした転職支援サービスを開始しました。

サービス名

パソナキャリア

公式HP

https://www.pasonacareer.jp/

主なサービス

求人検索
転職セミナーや相談会の無料開催
転職後も1年間無料で「eラーニング」で勉強し続けられる
特化型サービスや専門コンテンツを使えば効率よく転職活動を行える

求人掲載件数

35,436件(2023年8月時点)

料金

無料

特徴

「年収800万円以上」のハイクラス転職に力を入れている
女性の働き方に理解度が高く、よりよい環境で働くことをサポートしている

運営会社

株式会社パソナ

参考:パソナキャリア

ヒュープロ|最短8日で内定

税理士などの士業と経理などの管理部門に特化しているのが大きな特徴となります。

サービス名

Hupro(ヒュープロ)

公式HP

https://hupro-job.com/

主なサービス

求人検索
士業・管理部門のためのコラム
面接対策などのアドバイス

求人掲載件数

10,015件(2023年10月時点)

料金

無料

特徴

士業・管理部門に特化
●管理部門:経理・財務、人事、総務、法務
●士業部門:会計士、税理士、弁護士

運営会社

株式会社ヒュープロ

参考:Hupro(ヒュープロ)

簿記1級を取得し、スペシャリストを目指そう

簿記1級のメリットは多岐にわたります。この資格は経理・財務分野でのキャリアにおいて非常に価値が高く、経理・財務の専門知識とスキルを習得し、正確な会計記録を維持できる人におすすめです。

また、以下のような就職・転職先におすすめでしょう。

  • 大手企業の経理部門
  • 会計事務所
  • 大手税理士法人
  • 会計事務所やコンサルティングファーム

簿記1級は経理専門家としてのキャリアパスを強化し、経済的な成功に貢献します。簿記1級を取得し、会計のスペシャリストとして活躍してみてください。

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WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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