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2024/09/11 更新

衛生管理者の第一種と第二種の違いとは?業務内容や試験科目、合格率を解説

「職場で衛生管理者の資格を取得するように言われたけれど、どんな資格なのかよくわからない」方もいるのではないでしょうか?

この記事では衛生管理者の第一種と第二種の違いや、業務内容、試験に関する内容を紹介します。また、衛生管理者第一種と第二種を取得するメリットも紹介していますので、どちらを取得するか検討中の方もぜひ参考にしてください。

衛生管理者とは

衛生管理者とは国家資格での一つで、労働安全衛生法により定められています衛生管理者の主な仕事は、労働者の健康管理や作業環境を良くすることです。衛生管理者は第一種衛生管理者、第二種衛生管理者の2種類に分かれています。業種により必要な資格が異なりますが、いずれの資格を取得しても、業務内容そのものに大きな違いはありません。

ここからは衛生管理者の仕事について解説します。

参考:安全衛生技術試験協会「衛生管理者(第一種及び第二種)

衛生管理者の仕事内容

衛生管理者の仕事は業務環境の改善や、労働者の健康管理を行うことです。具体的には、少なくとも週1回は事業所を巡視して、設備や作業方法、衛生状態の確認を行います。万が一、有害の恐れがある場合には労働者の健康障害を防止するための措置を講じなくてはなりません。

また、安全委員や衛生委員の一員として会議に出席することもあります。

衛生管理者は50人以上の事業者に必ず置かなければいけないと法律で定められていて、労働者の人数により必要人数が決められています。たとえば、労働者が201〜500人で2人以上、501〜1,000人で3人以上となっています。

衛生管理者になるには

衛生管理者になるには、第一種衛生管理者もしくは第二種衛生管理者の資格が必要です。衛生管理者の受験資格と必要書類は以下となっています。

受験資格

必要書類

学歴

労働衛生の実務経験年数

大学・高等専門学校

1年以上

卒業証明書又は卒業証書の写し
事業者証明書

高等学校

3年以上

卒業証明書又は卒業証書の写し
事業者証明書

学歴問わない

10年以上

事業者証明書

事業者証明書は会社から発行してもらう書類ですが、事業者がオフィス清掃などを実務経験に含めていいと思っていない場合には、自ら会社に伝えましょう。

第一種・第二種衛生管理者の違い

第一種・第二種衛生管理者は業務内容は変わりませんが、有害業務を含む職種に対応できるかどうかの違いがあります。また、選任可能な職場や、試験科目・問題数・試験の難易度などの違いがあります。ここからは第一種・第二種衛生管理者の違いについて解説します。

選任可能な職場が違う

第一種・第二種衛生管理者が選任可能な職場は異なります。第一種は「有害業務」を扱える業務を含むすべての事業所に対応できますが、第二種衛生管理者は有害業務がない事業所が対象となっています。

有害業務とは著しく暑い場所での作業や、多量の高熱物質を扱う、放射線にさらされるなど労働者の健康に悪影響を及ぼす恐れのある業務です。具体的な例としては、電気業、ガス業、医療業などです。

免許の種類

選任できる業務

第一種

すべての事業所

第二種

金融業、サービス業、小売業、情報通信業など

試験科目、学習内容が違う

衛生管理者は一種と第二種で試験科目と学習内容が異なります。

第一種と第二種の試験科目と問数、配点は以下の通りです。

試験科目

第一種

第二種

労働衛生

有害業務に係るもの

10問(80点)

-

有害業務に係る以外のもの

7問(70点)

10問(100点)

関係法令

有害業務に係るもの

10問(80点)

-

有害業務に係る以外のもの

7問(70点)

10問(100点)

労働生理

10問(100点)

10問(100点)

第一種と第二種の試験内容は有害業務に関する問題があるかどうかの違いがあります。第一種は有害業務に関する内容を含む5科目、第二種は3科目で、第一種は合計400点、第二種は合計300点です。

合格率が違う

衛生管理者の合格率は第一種と第二種で異なります。令和4年度の合格率は、第一種は45.8%、第二種は51.4%弱で、有害業務を含む分第一種の方が少し難易度が高いです。国家資格としては高い合格率と言えますが、年々合格率は下がっています。原因には出題傾向の変更があると考えられています。

第一種・第二種衛生管理者試験ともに、合格基準は「科目ごとの正答率40%以上、かつ全体の正答率60%以上」で、合格者数の定員はありません。

勉強時間が違う

衛生管理者試験に合格するための勉強時間は、有害業務を含む第一種の場合約100時間、第二種で約60時間です。勉強期間は1日1時間勉強する場合、第一種は約3か月、第二種は約2か月を目安にすると良いでしょう。

主な勉強方法は、独学、通信講座、講習を受講する方法があります。独学の場合、近年の試験の出題傾向や要点などがわかり、自分が理解しやすいと感じるテキストを選択しましょう。勉強時間の約3分の2をテキストの勉強、残りの約3分の1を過去問題を繰り返す時間に充てるのがオススメです。

第一種・第二種衛生管理者を取得するメリット

これから衛生管理者の資格を取得しようと考える人の中には、第一種と第二種どちらを取得するか悩んでいる人も多いでしょう。ここからは、第一種と第二種それぞれを取得する場合のメリットについて解説します。それぞれのメリットを知り、自分に合った衛生管理者資格を取得する参考にしてください。

第一種衛生管理者を取得するメリット

第一種衛生管理者を取得するメリットは有害業務を含むすべての事業所に対応できる点です。

第一種衛生管理者に資格手当を出している企業も多く、資格取得を昇進用件にしている企業もあります。第一種衛生管理者の有資格者は少ない一方、従業員が50人以上の事業所には1人以上選任しなければいけないため、すべての業種に対応できる第一種衛生管理者を取得している人は重宝されます。

第一種衛生管理者の取得は、より専門的な衛生管理の知識を学べるうえ、キャリアアップや転職を目指す場合に有利です。主な業種でいうと危険度が高い製造業や建設業の方にオススメです。

第二種衛生管理者を取得するメリット

第二種衛生管理者を取得するメリットは第一種に比べると合格率が高く、取得の難易度が低い点です。すぐに衛生管理者の選任が必要な場合には、第二種衛生管理者の取得を目指すといいでしょう。また、1回で確実に衛生管理者の資格を取得したい方にもオススメです。

有害業務に関わる業務を取り扱わない職場で勤務している場合や、今後有害業務を含む業種への転職の予定がない場合には、第二種衛生管理者を取得しておくだけで十分です。業種でいうと、金融業、サービス業、小売業、情報通信業などの方に向いています。

第一種・第二種衛生管理者の資格取得を目指そう

衛生管理者は第一種と第二種があり、主な業務内容に違いはありません。

しかし、第一種は有害業務を含むすべての職種に対応できるため、あらゆる職種で重宝されます。キャリアアップや衛生管理の知識を増やしたい方には、第一種衛生管理者の資格取得がオススメです。有害業務を含まない職種の方や今後有害業務を含む職種への転職をしない方であれば第二種衛生管理者の資格でも十分です。

この記事を参考に、それぞれの職種や今後のキャリアに応じて第一種または第二種を選択し、取得を目指し、仕事に活かしてください。

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WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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