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2024/06/23 更新

金融内部監査士とは?資格の概要や取得するメリットも解説

監査の部門に興味があったり、資格の取得でキャリアアップを考えていると「金融内部監査士の資格」にたどり着く方も多いと思います。

この記事では、金融内部監査士という資格の概要から取得メリットまで解説します。金融内部監査士は知識を得られると同時に、キャリアアップにつながる資格です。この記事を読むことで転職やキャリアアップに役立つ手がかりを見つけられるでしょう。

金融内部監査士とは?

金融内部監査士は、日本内部監査協会が指定する団体での研修を修了した者に与えられる称号です金融機関の内部監査に関する深い知識や技能を持っていることを証明する資格と言えます

内部監査とは、企業内の業務が適正かどうかを確認する活動のことです。金融機関では、さまざまな法規制が存在するため正確な監査が求められます。金融内部監査士の役割は非常に大きいと言えるでしょう。

金融内部監査士は業務の正確性だけではなく、金融商品の適切な取り扱いやお客さまへの情報提供、リスク管理まで幅広い知識が求められます。資格を取得することで自らの専門性の証明だけでなく、金融機関での信頼と評価が高まり、キャリアアップへの一つとして役立つでしょう。

参考:日本内部監査協会「金融内部監査士」

金融内部監査士になるには

金融内部監査士の資格取得には、一般社団法人日本内部監査協会の指定研修が必須です。具体的に「金融内部監査士養成コース」または「金融内部監査士養成コース【保険版】」を選び、修了することが求められます。

研修を修了後、1年以内の期間で登録申請を進めることが必要です。申請時には料金が発生します。資格を取得すると、金融機関の内部監査の専門家としての信頼と評価が得られるでしょう。

講習で学べる内容

金融内部監査士としての役割を果たすためには、専門的な知識と技能が求められます。知識と技能を身につけるための研修として「金融内部監査士養成コース(FZ)」と「金融内部監査士養成コース【保険版】(FX)」があります。

2つのコースは基本的な内容に関しては共通しており、多くの金融機関の内部監査に関わる知識を学べます。金融内部監査士養成コースの第3分冊と第7分冊の内容が保険版では変わります。保険業界に特有の内部監査の知識や技法に焦点を当てて研修が行われます。

いずれのコースも、金融内部監査士として活躍するための基盤となる研修となっていますので、自身のキャリアプランに合わせて適切なコースを選ぶことが大切です。

受講料・受講期間

受講料は金融内部監査士養成コース(FZ)、金融内部監査士養成コース【保険版】(FX)の双方で108,680 円(税込)が必要です。

両コースともに7ヵ月の期間が設定。7ヵ月間で、金融内部監査士として活躍するための基礎から実践的な知識までをしっかりと学べます。

資格取得を目指す方は、受講料と期間を把握し計画的に学習を進めていくことが大切です。資格を持つことで、金融業界でのキャリアアップや、より専門的な仕事への挑戦が可能となります。

受講場所

金融内部監査士の資格取得は、通信講座やオンライン研修での受講が可能です。多忙なお仕事や日常の中でも学習を進めやすい資格と言えます。

通信講座は教材を使って自分のペースで勉強を進めることができるため、効率的に学習が進められます。オンライン研修の場合は専門家から直接知識を学ぶことができ、疑問点や質問も即座に解決することができます。

金融内部監査士の資格は通勤や移動時間を気にせず、どこでも学ぶことが可能です。ライフスタイルに合わせて、最適な学びの場を選ぶことができるでしょう。

修了基準

金融内部監査士の修了証を手に入れるためには、一定の基準をクリアすることが必要です。添削提出期限内に全回提出し、総得点が1400点中1120点以上であることが条件となっています。

実際の業務での適用力や理解度も求められるため、得点だけでなく深い理解とともに、日々の学習を重ねることが大切です。

金融内部監査士を取得するのはどんな人?

金融内部監査士の資格は主に金融業界の検査・監査業務に携わる職員が取得を目指します。銀行や証券会社、信用金庫などの検査・監査業務に従事する方々が対象です。

また「金融内部監査士養成コース【保険版】​」というコースは、保険会社の検査・監査業務に従事する職員向けのコースとなっています。資格を持つことで検査・監査のプロとしてのスキルアップはもちろん、企業内での評価やキャリアアップのためとしても有利に働きます。

金融業界でのさらなるステップアップを目指す方、専門的な知識や技術を習得したい方にとって、金融内部監査士の資格は強力な武器となるでしょう。

金融内部監査士を取得するメリット

金融内部監査士を取得するメリットについてそれぞれ解説をします。

  • 専門の知識が身につく
  • 知識やスキルの証明になる
  • 転職に有利になる可能性がある

金融内部監査士を取得することで、上記のメリットを得られるでしょう。

専門の知識が身につく

金融内部監査士の資格は金融の専門知識を学ぶだけではなく、資格取得を通じて内部監査全体の広がりに対する深い理解が得られます。内部監査とは企業の業績を安定させ、さらには成長を促すための重要な要素です。

監査士のチェックは財務諸表だけではなく、リスク管理やコンプライアンス、企業の運営方法に至るまで非常に幅広い領域にわたります。

金融分野は規制も多く高度な専門知識が必要です。資格取得することで、企業におけるリスクの把握やコンプライアンス体制の構築、ビジネスプロセスの効率化に大いに貢献でき、自らのキャリアアップの土台を築くことができるでしょう。

知識やスキルの証明になる

金融内部監査士資格の取得は、専門的な知識とスキルの証明となります。金融内部監査士は、金融に関連した内部監査の手法やリスク管理の専門知識が必要です。

金融機関ではリスク管理が非常に重要とされており、的確な監査を行うスキルが求められます。金融内部監査士資格を持っていることは、内部監査における信頼性や、業務を遂行するうえでの能力を客観的に示すことができます。

資格を取得することで、自身のキャリアにおいてもプラスとなり、所属する組織においても高い評価を得る可能性が高まるでしょう。

転職に有利になる可能性がある

金融内部監査士資格を持っていることは、専門性を示すための手段として価値があります。しかし、金融内部監査士の資格だけでは転職市場での優位性を出すのは難しいでしょう。

金融内部監査士資格は他の資格と組み合わせてWライセンスとすることで、転職やキャリアアップに有利になる可能性があります。たとえば、他の監査関連資格や金融業界での実務経験を持つことです。

Wライセンスを持つことで、その人材が多岐にわたる業務を遂行できる能力を持っていると企業は認識します。転職時に優遇される可能性やキャリアアップの道が広がることが期待できるでしょう。

金融内部監査士資格の注意点

金融内部監査士資格の取得にあたっての注意点を解説します。

  • 認定申請期間は受講修了から1年間
  • 継続学習が必要

上記を念頭に置いたうえで金融内部監査士資格の取得していきましょう。

認定申請期間は受講修了から1年間

金融内部監査士資格は、金融機関の内部監査に特化した専門性を証明するもの。取得する流れは、一般社団法人日本内部監査協会指定の研修コースを修了し、1年以内に資格の認定申請です。

研修コースは「金融内部監査士養成コース」か「保険版」を選び、7ヵ月の学習を経て修了します。認定申請を行う際には、登録申請料7,700円(税込)が必要です。

資格取得は自身のスキル向上はもちろん、キャリア形成にも大きな役割を果たすでしょう。

継続学習が必要

金融内部監査士資格を保持し続けるうえで肝心なのは、専門的な知識と技能を最新のものに更新し続ける必要があります。資格保持者は所定の期限内に20CPE単位を獲得するための継続学習を要求されます。

CPE(Continuing Professional Education)単位とは、継続的な専門教育を数値化したものです。この単位を確実に取得し続けることで、金融内部監査士としての専門的なスキルや知識が常に最先端を保たれ業務の質が向上します。

資格取得のメリットを十分に活かしキャリアアップを図るためにも、持続可能な学びのスタイルを見つけ実践しましょう。資格の詳細や継続学習の方法については、公式サイトなどで確認することができます。

その他の内部監査に関連する資格

内部監査に関連する資格について解説します。

  • 内部監査士
  • 公認内部監査士(CIA)
  • 公認情報システム監査人(CISA)
  • 公認リスク管理監査人(CRMA)
  • 公認不正検査士(CFE)
  • 内部統制評価指導士(CCSA)

上記の関連する資格の取得を行うことで、効率的に対策ができます。また、金融内部監査士としてのキャリアアップにもつながるでしょう。

内部監査士

内部監査士とは組織の内部監査業務の専門家を指します。内部監査士は日本内部監査協会が認定する国内資格です。内部監査の理論と実務を学ぶための講座を受講し、研修を経て論文を書くことで取得が可能となります。

内部監査士はその専門的な知識とスキルセットをもとに、企業内での業務改善やリスクマネジメントに貢献します。

資格取得には一定の投資が必要ですが、企業の内部管理体制強化に寄与し、自身のキャリアアップにもつながるでしょう。

公認内部監査士(CIA)

公認内部監査士(CIA)は、組織の「内部監査」のプロフェッショナルを証明する国際的な資格です。この資格を認定しているのは内部監査人協会(IIA)です。

内部監査の基礎から専門的な知識、技能を深く理解し、その応用ができる能力を持つ人材がCIAと認められます。公認内部監査士は国際的に認知されているため、グローバルに活躍する企業でのポジション獲得にも有利です。

資格取得のプロセスは、試験のクリアと実務経験が要求され、専門的な教育・トレーニングも伴います。組織のリスク管理やガバナンスの強化、効果的な業務プロセスの確立をサポートするCIAは、企業にとって価値ある存在となります。

公認情報システム監査人(CISA)

公認情報システム監査人(CISA)は、ISACA(情報システムコントロール協会)によって認定される、情報システムの監査やセキュリティ、コントロールの専門家としての資格です。

情報技術の高度化、進化とともにIT監査の重要性も増しており、CISAはその分野の国際的な標準と認識されています。

システムの脆弱性を見つけ、企業の情報を外部の脅威から守る役割や、内部の情報管理体制の監査を行います。また、ITプロジェクトのマネージメントや情報セキュリティポリシーの策定など、IT管理におけるリーダーシップも求められます。

公認リスク管理監査人(CRMA)

公認リスク管理監査人(CRMA)は、リスクマネジメントの専門家を認定する資格です。具体的には、企業が直面するさまざまなリスクを正確に把握し、そのマネジメントを効果的に行うスキルが求められます。

この資格は、ガバナンスプロセスや内部統制の品質評価において、高度な知識とスキルを持つことを証明しています。

リスクがうまく管理されれば、企業はより安定し、持続的な成長が期待できます。また、CRMA資格取得者は、組織におけるリスク管理のエキスパートとして活躍することができ、経営戦略の策定や実行を強力にバックアップします。

公認不正検査士(CFE)

公認不正検査士(CFE)は、不正のプロフェッショナルとして認識される資格です。この資格は不正行為を防止、発見し、適切な対応をする専門知識とスキルを持つ人物を指します。

企業における金融不正や詐欺を明らかにし、その予防策を構築するのがCFEの役割です。持ち主は、調査技術や法的な知識、不正に関する理解を深めるため、企業の不正対策はもちろん、内部監査の質をも向上させる要素を持っています。

CFEを持つ内部監査士は、企業のリスクマネジメントにおいて極めて価値のある存在となり、そのキャリアは幅広く拡がります。

内部統制評価指導士(CCSA)

内部統制評価指導士(CCSA)は、内部監査人協会(IIA)により認定される特定の専門性を持った資格です。この資格は、企業の内部統制の自己評価に特化しており、専門性が評価されます。

内部統制とは、組織の目標達成をサポートするためのシステムやプロセスを指し、それがCCSAの評価と改善の対象となります。資格保有者は組織のリスクを適切に管理し、企業の価値を高める役割を果たすことができます。

IIAが提供する学習コースを修了し、試験に合格することでCCSAを取得することができます。この資格を持つプロフェッショナルは、内部監査の深い知識と共に企業のリスク管理と業績改善に寄与します。

金融内部監査士の資格取得はキャリアアップにつながる

金融内部監査士は金融機関の適切な運営を支え、企業に安全と成長をもたらすキーとなるポジションです。

金融内部監査士を持つプロフェッショナルは企業内のリスクを正確に評価し、内部統制を有効に機能させ法規制を順守することで、組織の持続可能な発展をサポートします。

業界における深い知識と多様なスキルを持つ内部監査士は、今後のキャリアにおいても非常に価値ある存在となります。資格取得は、確かなスキルと専門知識を身につけ、一段階上のキャリアパスを切り開く大きなステップです。

さらに、内部統制評価指導士(CCSA)など、他の資格との組み合わせも視野に入れ、一層のスキルアップを図ることで、更なる道が開かれるでしょう。

ぜひキャリアアップのためにも金融内部監査士の資格取得に挑戦してみてください。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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