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ビジネス実務法務検定とは?難易度や取得するメリット、勉強方法を紹介

2023/11/21 更新

ビジネス実務法務検定は、その名の通り、実務レベルの法的知識を身につけるための資格です。東証商工会議所が主催しており、ビジネスに関連する幅広い知識を習得できます。

この記事では、ビジネス実務法務検定についての基本知識や取得のメリットについて詳しく説明します。受験を考えている方や興味を持っている方は、記事を最後まで読んで理解を深めてください。

ビジネス実務法務検定とは

ビジネス実務法務検定とは、ビジネスシーンで実践的に使える法律知識を身につける、公的資格です。東証商工会議所が主催して、民間資格の中でも国が認定しています。この検定では、次の分野の法律知識を学ぶことができます。

  • 取引先との契約書の締結
  • 会社法に基づく企業財産の管理
  • 労働基準法に準じた雇用契約書の策定
  • コンプライアンス(法令遵守)
  • 知的財産の取り扱い

参考:東京商工会議所検定サイト「ビジネス実務法務検定試験 - 東京商工会議所検定サイト」

ビジネス実務法務検定のレベルや受験方法

ビジネス実務法務検定の合格基準や受験方法について、気になる人は多いでしょう。まずは3級から1級まである試験のレベル感を知り、自分が受験する級の参考にしましょう。

ビジネス実務法務検定3級の合格ライン

3級の合格率は、毎年75〜85%(※1)であり、比較的合格しやすい水準です。試験時間は90分で、100点満点中70点以上で合格とされています。

試験での出題内容は、以下の通りです。

出題項目

  • ビジネス実務法務の法体系
  • 企業取引の法務
  • 債権の管理と回収
  • 企業財産の管理と法律
  • 企業活動に関する法規制
  • 企業と会社の仕組み
  • 企業と従業員の関係
  • ビジネスに関連する家族法

基本的な内容が多いため、法務担当者に限らず社会人なら誰でも受けられる内容となっています。3級は、基本的な法律知識を身につけたいという方におすすめのレベルです。

ただし、合格に必要な最低勉強時間は45〜60時間ほどといわれています。1日2時間学習するとしても1か月はかかるため、勉強スケジュールをしっかり立ててから取り組みましょう。

(※1)参考:東京商工会議所検定サイト「ビジネス実務法務検定試験」

ビジネス実務法務検定2級の合格基準

2級の合格率は毎年40〜50%(※2)ほどで、3級よりも難易度が上がります。合格基準は、3級と同様100点満点中70点以上です。3級と比べると出題内容がより専門的になるので、法律に関する実務や学習経験のある方に向いている級といわれています。

以下は、2級の出題内容です。

出題項目

  • 企業取引の法務
  • 債権の管理と回収
  • 企業活動に関する法規制
  • 株式会社の組織と運営
  • 企業と従業員の関係
  • 紛争の解決方法
  • 国際法務(渉外法務)

試験内容は、実践的な法的知識に基づくコンプライアンスの基本です。試験の合格には、トータル60〜90時間の学習が必要といわれています。1日2時間の勉強で最低1か月半、1日1時間の学習であれば2〜3か月は必要になるので、学習のスケジュール管理が重要です。

(※2)参考:東京商工会議所検定サイト「ビジネス実務法検定試験」

ビジネス実務法務検定1級の合格基準

1級の合格率は、10〜20%(※3)と、2級や3級と比べると非常に低い水準です。1級受験者のほとんどは2級レベルの法律知識を持つ方たちですが、全員が合格できるとは限りません。

1級の試験内容は、以下の2項目です。

出題項目

  1. 共通問題(2問必須)
      - 民法・商法・会社法を中心に、全業種に共通して起きうる法律実務問題
      - 選択問題(4問中2問選択)
  2. 特定の業種に関連する一定の法律をクローズアップして出題(以下のような内容から2問選んで回答)
      - 取引上のトラブルを処理
      - 取引関係に立たない第三者とのトラブルを処理
      - 法務関係の上司や弁護士などの専門家に法的トラブルの顛末・処理方法を報告
      - 予防法務的観点からトラブルになりそうな問題に対応

1級は共通問題と選択問題の2部構成で、それぞれ90分の計3時間以内に問題を解きます。解答方式は論述式であるため、2級までの多肢択一形式に比べると難易度が高いです。

また、1級は試験内容が多く、合格基準は200点中140点以上とされています。

合格するための勉強時間は200〜250時間といわれているため、法務の専門家向けの試験だと認識しておきましょう。

(※3)参考:東京商工会議所検定サイト「ビジネス実務法検定試験」

受験方法はCBT方式とIBT方式の2つ

ビジネス実務法検定は、以下のようにCBT方式とIBT方式の2つから受験方法を選びます。

CBT方式

  • 受験できる級:3級・2級・1級
  • 受験方法:全国指定のテストセンターに備え付けのパソコンで受験
  • 試験日:3級・2級:試験期間内であれば選択が可能、1級:所定の試験日
  • 追加費用:2,200円

IBT方式

  • 受験できる級:3級・2級
  • 受験方法:手持ちのパソコン
  • 試験日:試験期間内で選択可能
  • 追加費用:なし

パソコンを持っていれば、2級までならIBT方式による自宅受験が可能です。慣れた環境で、ひとりだけで受験したい方は、IBT方式でテストを受けるようにしましょう。

1級を受ける方はCBT方式しか選べず、自宅での受験ができないので注意が必要です。

ただし、CBT方式のテストセンターでの受験は、ネットワーク不良や急なパソコンのトラブルの心配がないというメリットがあります。

ビジネス実務法務検定の級ごとのおすすめ対象者

ビジネス実務法務検定の概要は理解したものの、自分がどの級を受験すればいいかわからない人は多そうです。ここでは知識レベル別におすすめの級を紹介するので、自分に合う階級を見つけましょう。

ビジネス実務法務検定3級:学生や法律に少しでも興味がある方

ビジネス実務法務検定の中で最も易しい3級は、学生や法律に少しでも興味がある人におすすめです。

学生が受験すると、社会人になる前にビジネスの基礎を学んでおくことができます。また、社会人であれば法律の学習のきっかけにしたい方や、これから法務などの法関係の仕事を任される方におすすめです。

「3級の知識だけでは少し物足りないけど、いきなり2級を受けるのは不安」という方は、3級と2級同時に受験してみるのもいいでしょう。併願受験を利用すると、上級を目指しやすくなります。

ビジネス実務法務検定2級:転職や就職で活かしたい方

転職活動や就職で活かしたいのであれば、2級を受験するようにしましょう。

ビジネス実務法務検定を仕事で活かせるのは、2級レベルの知識からといわれています。行政書士や司法書士などの法律系国家資格よりは難易度が低いため、法務実務に活かせる知識が欲しいと考えている方にはおすすめです。

2級は3級の知識に加え実務経験での一定知識を持っている人ほど、合格しやすくなります。ただし、実務経験がない社会人や、法務未経験の管理部門でも受験が可能なレベルです。

ビジネス実務法務検定1級:知識全般が身についているリスク管理者や士業

一般的に、1級は法務部門の責任者などの実務経験がある役職者が受験します。

1級は国家試験に匹敵するほどハイレベルだといわれており、実務経験や法務系業務に特化したスペシャリストでないと合格は難しいのが事実です。

ただし、1級に合格をすると役職や高い地位を目指せるため、キャリアアップや昇給を狙う方は積極的にチャレンジしてみましょう。

ビジネス実務法務検定を受験するメリット

ビジネス実務法務検定を受けるからには、取得のメリットが気になるところです。合格により起こりうるメリットを知り、学習のモチベーションに役立てましょう。

法律知識の理解が深まる

ビジネス実務法務検定は、法律に関する知識を習得できる試験です。

社会人として、企業経営や顧客対応、社内対応やコンプライアンスなど、あらゆる側面で法律知識は必要です。ビジネス実務法務検定で法律を学ぶと、さまざまな状況で知識を活用できます。

深い知識を持っていると上司や同僚から信頼を得やすく、新しい仕事を引き受けるきっかけにもつながるでしょう。仕事の幅が増えると、自身のスキルを伸ばし自信を持つことができます。また、必要な時に自己を守る手段としても、法律の知識は役立つものです。

法律の知識習得は多くのメリットがあるので、積極的に学習を進めることをおすすめします。

就職活動やキャリアアップで有利になる

ビジネス実務法務検定を取得すると、転職や就職の際に自身のスキルとしてアピールが可能です。

近年、企業にとってコンプライアンスは重要な課題であり、法的知識を持つ人材を求める傾向にあります。転職を検討している方や法務の分野に興味がある方は、企業のニーズを理解し積極的にビジネス実務法務検定を受験するのがおすすめです。

資格を取得すると、実践的な知識を身につけスキルを高められるため、法務分野でのキャリアアップにもつながります。法務分野以外でも、会社運営には法律知識は欠かせないため、未経験の業務に携わる機会が増えるでしょう。業務の範囲が広がれば、スキルアップやキャリアの発展につながる可能性があるので、積極的に取り組むのがおすすめです。

社内でのリスクマネジメントスキルが身に付く

ビジネス実務法検定を学ぶと、さまざまな状況で必要なリスクマネジメントスキルを身につけられます。

企業経営において急な問題やリスクに直面した場合、法的な知識がなければ誤った対応をしてしまうかもしれません。しかし、ビジネス実務法務検定を勉強しておけば、いざというときに必要な法律知識を引き出せるため的確な対応が可能です。

法的知識は自身を守るだけでなく、企業の経営のサポートにも役立ちます。特に役職を持つ人は、リスクマネジメントのためにビジネス実務法務検定を積極的に学んでおきましょう。

ビジネス実務法務検定に合格するための勉強法

ビジネス実務法務検定受験のメリットを知り、さらに興味を持った方に向けて勉強方法を解説します。以下で紹介している勉強方法を参考に、効率的に学習しビジネス実務法務検定合格を目指しましょう。

独学|参考書や過去問を活用する

ビジネス実務法検定は3級や2級であれば独学での合格を目指せるので、テキストや過去問を活用して勉強しましょう。

以下は、ビジネス実務法検定のレベル別おすすめのテキストです。

ビジネス実務法務検定2級

ビジネス実務法務検定3級

出版社によってテキストの解説内容が違ったり、問題集が別売りになっていたりする場合があります。複数のテキストを見比べ、自分が勉強しやすい教材を見つけましょう。

自分に合う通信講座を活用する

忙しい人は、通信講座を利用しながらビジネス実務法検定合格を目指しましょう。通信講座のメリットは、スキマ時間に好きな場所で学習できる点です。通勤・通学中の電車内で時間があれば、スマホやタブレットで動画試聴による学習ができます。

通信講座の中には、自宅にいながらオンライン講師による授業を受けられ、終了後にチャットやメールで質疑応答ができるタイプもあるようです。また、2級と3級のダブル受験者用コースも用意されているため、自分に合った勉強方法を探してみましょう。

独学よりは料金がかかるものの、ひとりの学習に不安を感じる方は通信講座から始めてみてください。

スマホアプリを利用する

ビジネス実務法務検定の勉強は、スキマ時間を利用したスマホアプリ学習も可能です。

スマホアプリでの勉強は、空いた時間に勉強でき、教材を持ち歩く必要もありません。忙しい社会人やバイトをしている学生にとって、おすすめの勉強方法です。

中でも「ビジネス実務法務3級 試験問題対策 アプリ-オンスク.JP」(※4)というアプリは、ビジネス実務法務検定受験を目指す人に幅広く活用されています。

無料でダウンロードできるので、アプリ学習が気になる方は活用してみましょう。

(※4)参考:ビジネス実務法務検定3級試験問題対策 アプリ-オンスク.JP

効率よく勉強しビジネス実務法務検定合格を目指そう

ビジネス実務法務検定の3級と2級であれば、初心者でも独学や通信講座で合格を目指せます。1級は難易度が高いので、合格には勉強時間の多めの確保が必要です。

自分に合ったレベルを見つけ、独学や通信講座を利用して効率よく合格を目指しましょう。

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株式会社WARC

WARCエージェントマガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARCエージェントマガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。