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2024/09/06 更新

簿記3級は転職に活かせる?|転職先や効果的なアピール方法を紹介

日商簿記3級とは?

日商簿記3級は、日本商工会議所が主催する簿記の資格試験で、基本的な商業簿記の知識とスキルを証明するものです。貸借対照表や損益計算書を作成するスキルが特に評価されます。

日商簿記は、その長い歴史と高い認知度から、企業にとって重要なスキルの1つとみなされ、就職や転職活動において有利です。また、2級や1級へのステップアップが可能で、自分のスキルアップを証明できます。

実務で活用できる資格

日商簿記3級は、経理や会計の職業に進むための資格であり、これらの職種では企業の財務状況を把握し管理するための知識が欠かせません。日商簿記3級は、その基礎を習得するための重要なステップです。

取引の記録、貸借対照表、損益計算書の作成など、実務で必要な基本的なスキルを身につけることができます。日商簿記3級は、経理や会計の基礎知識を養い、キャリアアップの可能性を広げる資格です。

日商簿記3級の難易度

日商簿記3級は、小規模企業の商業簿記の基礎をカバーし、特に高度な知識やスキルを必要としません。理解すべきは貸借対照表や損益計算書の基本原則です。この試験の難易度は、しっかりと学習し練習すれば、合格までの道のりは遠くありません。

実際、日商簿記3級の合格率は40〜50%程度で、適切な準備を行えば合格する可能性が高いです。この資格は、簿記の分野に足を踏み入れるための手頃なステップとなるでしょう。

簿記3級は転職に有利になるのか?

簿記3級が転職に有利か否かを探るため、以下のポイントに焦点を当てています。この評価基準を通じて、日商簿記3級が転職市場でどのように評価されるかを掘り下げます。

有利になるが過度な期待は禁物

簿記3級の取得は、転職において一定の有利さをもたらします。特に、経理やビジネスの職業では、基本的な簿記知識が必要なことが多く、そういった場面で簿記3級は有益でしょう。

ただし、過度な期待は禁物です。簿記3級は、簿記の基本原則と小規模企業の会計に対する理解を証明する資格であり、高度なスキルを証明するものではありません。

そのため、転職の成功を保証するものではなく、あくまで自身の強みの1つと考えるべきです。

求人募集数は限られている

確かに、簿記3級を取得することは強みとなりますが、残念ながら、簿記3級を必要とする求人は多くありません。特に大企業や専門的な会計職を目指す場合、簿記2級以上の資格が求められることが一般的です。

簿記3級は、あくまで基本的な会計知識と理解を証明するものであり、それ以上のスキルや知識を必要とする職業では不足となる可能性があります。そのため、簿記3級を活かすためには、それに合った職業や企業を探すことが重要です。

簿記3級で目指せる転職先は?

簿記3級の資格を取得した場合、どのような職業を転職先として目指すことができるでしょうか?以下では、簿記3級を持つ人が目指せる転職先を3つ紹介します。これらの職業に関する詳細情報と、簿記3級がそれらの職業でどのように役立つかについても紹介します。

経理・総務

簿記3級の知識は、経理に直結します。経理や総務の仕事では、日々の取引を正確に記録し、企業の財務状況を的確に理解するための基本的なスキルとして、簿記の知識が必要です。

経理は、簿記3級を取得した人が追求できる最も一般的な職業の1つです。そのため、簿記3級の資格は、これらの職業における業務遂行スキルを証明する手助けとなります。

会計事務所

会計事務所は、クライアントの会計や財務業務を支援し、税務に関する相談や記帳、税務申告の代行などを行います。これらの業務はすべて、簿記の知識が深く関わっています。そのため、簿記3級の資格を持つことは、会計事務所での業務遂行に役立ちます。

会計事務所での業務において信頼性と専門性を提供し、クライアントに対して適切な助言とサポートを提供するために必要なスキルの一部となります。

税理士アシスタント

税理士アシスタントとしての仕事は、簿記3級の資格を有効に活用できる1つです。税理士アシスタントは、主に税理士のサポート役を務め、日常業務で簿記の知識を活かします。

税理士の独占業務(例えば税務申告の代行など)を行うことはできませんが、それに該当しない範囲で、書類作成、データ整理、基本的な計算など、幅広い業務を補助することが可能です。

そして、これらの補助業務はすべて、簿記の基礎知識を必要とします。そのため、簿記3級の資格は、税理士アシスタントの仕事においても価値があります。

キャリアアップを目指すなら簿記2級以上は必須

簿記3級、2級、1級を取得した場合の年収の違いに焦点を当て、以下に簿記3級から2級へのステップアップ方法についても紹介します。

簿記3級と簿記2級の年収を比較

簿記3級の資格を持つ人は主に新卒者や高校生が多く、平均年収は約200〜300万円程度です。簿記の基本知識が評価され、初任給の向上に寄与します。

一方で、簿記2級の取得者はさらなる会計技術が期待され、その結果、年収も上昇します。経験がない場合でも、年収は250〜350万円。そして、1年以上の経験を積んだ場合、その範囲は300〜480万円に増加します。つまり、簿記の資格が上がるにつれて、収入も増加する傾向があります。

簿記2級と簿記1級の年収を比較

簿記2級を保有者の年収は一般的に300〜480万円程度ですが、それに対して、簿記1級の保有者の年収は大幅に上昇します。

簿記1級の保有者は、年収が約600万円程度になります。簿記1級の就職先としては、会計事務所、大手企業の経理部門、コンサルティングファームなどが挙げられます。これらの求人は、高度な会計知識と経験を要求し、それが給与に反映されるのです。

これにより、簿記の資格が上がるにつれて、年収も着実に増加することがわかります。

参考:会計求人TOPICS「日商簿記1級・2級はすごい資格なのか?年収は上がるのか解説!」

簿記3級から簿記2級へのステップアップ

簿記3級を取得済みの方は、基本的な簿記の知識をすでに習得しています。そのため、独学でも簿記2級の合格は十分に可能です。ただし、成功のカギはたくさん勉強時間を確保することです。具体的には、半年間の継続的な勉強時間を確保すれば、簿記2級の合格は現実的な目標となるでしょう。

簿記2級では、簿記3級よりも仕訳の数が増えるため、まずはこれらの仕訳を覚えることが大切です。これにより、より複雑な会計処理を理解し、実務で活用できるようになります。

簿記3級を転職に活かす方法

簿記3級の資格を転職活動で有効に活用するためには、どのようにアピールすればいいのでしょうか?以下では、ほかの資格との組み合わせ、過去の経験や実績のアピール方法、そして次のステップへの意欲を示す方法など、具体的な方法について詳しく紹介します。

これらを活用することで、転職活動がより成功につながることでしょう。

①他の資格と組み合わせてアピール

簿記3級の取得は素晴らしいことですが、単体で他の求職者と差別化するのは難しいかもしれません。そこで有効なのが、ほかの資格との組み合わせです。

たとえば、「FP3級」の資格を取得することで、金融に関する知識を身につけていることを示すことができます。「ビジネス文書検定」や「秘書検定」を取得することで、事務作業のスキルを証明できます。

これらの資格を組み合わせてアピールすることで、自分のスキルセットを幅広く、かつ深く示すことができ、転職活動でほかの候補者よりも一歩リードすることができるでしょう。

②過去の実績と経験をアピール

簿記3級を活かして、過去の実務経験や達成した成果を具体的にアピールすることは、転職活動において重要なポイントです。

資格を取得しただけでなく、それをどのように実務に活かし、どのような結果や改善点を生み出したかを具体的に伝えることで、あなたがその資格を活用して何を達成できるかをイメージさせることができます。

これは、あなたがその仕事に対する理解とスキルを持っていることを示す、非常に強力な証拠となります。

③キャリアビジョンをアピール

簿記3級保有者が、さらなるスキルアップを目指し、簿記2級や1級を取得しようと計画していることを明示することは、自己成長への意欲や前向きな姿勢をアピールする手段になるでしょう。

同時に、キャリアビジョンや会社への貢献を具体的に説明することで、将来性やモチベーションを伝えることができます。この積極性は、採用担当者にとってポジティブな要素として受け止められます。

自己成長への意欲とそれによる会社への貢献をはっきり示すことは、転職活動において大きな強みです。

簿記3級は経理以外の職業でも活かせる?

簿記3級は、経理職にとどまらず、ほかの職業でもその知識を活かすことができます。以下では、営業、経営コンサルティング業、システムエンジニアの各職業において、簿記3級がどのように役立つかについて詳しく紹介します。

各職業における簿記の知識の実用性を具体的に見ていきましょう。

営業

簿記3級の知識は、営業職においても非常に役立ちます。。商談の際、財務情報を理解し、顧客のビジネス状況を把握するために、基本的な会計知識が必要です。

同時に、自社の製品やサービスが顧客の経営にどのように影響するかを理解し、具体的な提案をするときにも、簿記の知識が役立ちます。

経営コンサルティング業

経営コンサルティング業界では、クライアント企業のを理ビジネスを理解し、最適な問題解決策を提案するために簿記の知識が必要です。簿記3級の資格は、企業の財務状況や業績分析に基本的な知識を持つことを証明し、コンサルティング業務を遂行する上で大きなツールとなります。

さらに、コンサルティングではクライアントとのコミュニケーションが重要であり、その際に簿記の知識を活用して深い対話を行うことは、信頼関係を築くためにも有用です。

システムエンジニア

システムエンジニアとして、会計システムや財務システムの開発を行う場合、簿記3級の知識は非常に役立ちます。これらのシステムは会計のルールや原則に基づいて設計・実装されるため、その知識を持つことで、より効率的でユーザーフレンドリーなシステムを開発することが可能です。

さらに、ユーザーのニーズを理解し、それに応じたシステムを開発するためにも、基本的な簿記の知識は必須といえるでしょう。

簿記3級の力でキャリアアップを目指そう

簿記3級の資格は、経理や会計の基本的な知識を持っていることを証明するもので、転職活動において確実に強みとなります。

しかし、この強みを最大限に活かすためには、資格だけでなく、ほかのスキルや経験を組み合わせてアピールし、次のキャリアステップへの熱意を示すことが大切です。この機会に、簿記3級資格を取得し、自身のキャリアアップに活かしてください。

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