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2024/09/06 更新

ビジネスコンプライアンス検定とは?難易度や勉強方法、スキルを紹介

企業の法令意識を高めるため、自身でビジネスコンプライアンス検定の受験を検討している担当者は多いでしょう。受験に際しては、必要なスキルを身につけるための勉強時間や難易度の把握が重要です。合格すれば、企業の担当者としてより高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。

この記事では、ビジネスコンプライアンス検定の受験に関する情報や学習方法、身につくスキルについて詳しく説明します。

コンプライアンスが重要視される背景

近年、企業のコンプライアンスの実践方法が、会社の評判に大きな影響を与えるケースはあとを経ちません。従業員による不祥事や、過労による健康問題などの話題は、瞬く間に広まります。コンプライアンスにおけるトラブルは、企業が適切な規則を策定し、従業員に適切に教育することで防げる場合が多いです。コンプライアンス担当者が法令を正しく理解し、適切な対応を行うと、企業全体の意識が向上すると考えられています。

ビジネスコンプライアンス検定の概要

ビジネスコンプライアンス検定は、企業で求められるコンプライアンス知識の定着度を試す試験です。主催はサーティファイという組織のコンプライアンス検定委員会であり、2005年に初めて実施されました。

コンプライアンス検定委員会は、コンプライアンスを「社会的要請に応えること」と定義しています。ここでいう社会的要請とは、法令が制定された背後にある人々のニーズや問題ととらえてよいでしょう。企業が社員に対してコンプライアンス教育を行っても、法令を守る理由が理解されなければ、本質的な意識改革には繋がりません。

社員が法令を守る理由を社会的背景と結びつけて説明することで、従業員は自ら考え、行動を起こせるようになります。ビジネスコンプライアンス検定は、コンプライアンスを表面的な側面だけでなく社会的背景から理解し、企業運営に活かしたい人におすすめです。

参考:サーティファイ「ビジネスコンプライアンス検定」

レベルは初級と上級の2つ

ビジネスコンプライアンス検定は初級と上級の2つに分かれており、それぞれ問われる内容が異なるテストです。以下に、レベルごとの試験方式や試験時間を示しました。

等級

試験方式

試験時間

初級

マークシート

60分

上級

マークシート+記述

120分

初級レベルは、コンプライアンスの基本的な考え方や法律知識、特定の状況に応じた判断基準についての出題です。コンプライアンスについて基礎から学びたい人や、まず全体像を把握したい人に適しているでしょう。

一方、上級レベルでは、企業内でコンプライアンスを推進していく人々向けに、高度な知識が問われます。初級よりもさらに深く、ビジネスの現場でどのように対応すべきかを問われる内容です。

難易度はそこまで高くはない

ビジネスコンプライアンス検定全体の合格率は約60%ほどであり、難易度は決して高くありません。それぞれの等級ごとに合格ラインが設定されており、初級では全体の65%、上級では70%の正答が必要です。ベーシックな知識を理解し間違った問題をリピート学習すれば、合格ラインに近づけるでしょう。

また、検定合格に必要な勉強時間は初級では20時間、上級では40時間ほどで、そこまで多くはありません。社会人の場合、1日1時間ずつ勉強すれば上級でも1ヶ月半で試験に挑戦できる計算です。

ビジネスコンプライアンス検定を受けるべき人とは

ビジネスコンプライアンス検定の概要を理解したところで、自分が試験を受けるべきなのか気になる人は多そうです。対象としている層は幅広く、企業上層部にもおすすめな試験といえるでしょう。

これから社会に出る就活生

ビジネスコンプライアンス検定は、これから社会に出る予定の学生に向いています。学校を卒業して職場に入ると、どの企業でもコンプライアンスへの理解は必要です。学生のうちに守るべき法令を学んでおくと、将来的に職場で自身を守る手助けにもなります。さらに、コンプライアンスは今後の組織運営において欠かせない考え方であり、社員一人ひとりが意識すべき要素です。検定に合格すると、組織人としての基本的なスキルを持っていることをアピールできる可能性があります。

法務へのキャリアアップを目指す人

ビジネスコンプライアンス検定は、法務へのキャリアアップを考える人にもおすすめです。近頃、社員の不祥事や顧客情報の漏洩などのトラブルが絶えない状況から、社内法務の重要性が高まっています。ビジネスコンプライアンス検定は、法務で重要とされる倫理的価値観についても問われる試験です。初級から受験を始め、知識が身についてきた頃に上級にチャレンジすると、法務の立場としてのスキルの土台を築けるでしょう

経営者や独立や開業を目指す人・フリーランス

経営者や独立を目指す人、フリーランスにとって、コンプライアンスに対する理解は事業を続けるうえで重要です。企業のトップが正しい知識を持っていないと、最悪の場合、経営破綻につながる可能性があります。経営者はコンプライアンスの概要を理解した上で、従業員に対するアプローチ方法の検討が必要です。また、フリーランスであっても、取引先との関係を損なわないために正しい法令知識を持ち続ける姿勢が求められます。

ビジネスコンプライアンス検定を受験するメリット

ビジネスコンプライアンス検定の受験により、実際の社会で受けられるメリットが気になるところです。実社会における知識の活用イメージを持つと、学習意欲につながるでしょう。

コンプライアンスの全体像を習得できる

ビジネスコンプライアンス検定を受験すると、実務では得られない知識を身につけられます。企業に就職した場合、ある一定のコンプライアンス知識は実務をとおして習得可能です。しかし、通常業務で触れられるコンプライアンスの範囲は、所属する部署で用いられる内容に限られます。一方、検定の学習を行うと、これまで学んでこなかったコンプライアンス全般の知識の習得が可能です。全体像を理解すると、さまざまな社会問題について自己判断ができるようになるでしょう。

さまざまな業界で活躍できる

最近ではどの業界でもコンプライアンスが注目されており、検定に合格するとさまざまな分野での活躍が期待できます。特に、資格取得を積極的に行いたいのは、銀行や保険会社など金融関係への就職を考える人たちです。最新のITを取り入れた新しい金融システムでは、これまでとは異なる分野の法知識が求められます。金融業界は法人や個人からの信用で成り立つため、検定でも触れるコンプライアンスの理解が一層重視されるでしょう。

合格をアピールしやすい職種がある

ビジネスコンプライアンス検定の合格実績は、特定の職種において有益な肩書きとなります。特に、企業内法務やコンプライアンス窓口を担当する総務、銀行や保険会社などの金融業界などです。ただし、求められる法令知識の範囲は、就職する企業や担当部門によって異なります。就職先や異動部署がすでに決まっている場合は、扱う法令分野を調べてから学習に取り組むと、合格後により効果的に知識を活かせるでしょう

ビジネスコンプライアンス検定のおすすめ勉強法とは

ビジネスコンプライアンス検定の適切な勉強方法についても知っておくと、学習の助けとなります。代表的な3つの勉強法を理解し、自分に合いそうな学習法を見つけましょう。

公式問題集や参考図書を活用する

主催団体であるサーティファイ出版が提供する、公式問題集や指定の参考図書の使用がおすすめです。公式問題集は初級と上級にレベル分けされ、それぞれ3〜5回分の過去問が含まれています。過去問を反復して解き、つまずく箇所を減らしていくと、苦手な部分を克服できるでしょう。さらに深い理解を得るためには、問題集のサポート教材である参考指定図書を活用すると、試験対策以上の知識を得られると考えられます。

コンプライアンスオープンセミナーに参加する

試験範囲を超えた内容について理解を深めたい人には、コンプライアンスオープンセミナーへの参加をおすすめします。コンプライアンスオープンセミナーとは、検定の主催団体サーティファイが企画する、法令のスペシャリストによる講演会です。弁護士や公認会計士などのリスクマネジメントの専門家が、現代の社会問題や解決法について解説します。セミナーは年に一度の開催ですが、会場への来場だけでなくウェブからの参加も可能です。

アプリでスキマ時間学習をする

ビジネスコンプライアンス検定の学習は、スマホアプリからも行えるためスキマ時間を活用できます。『模擬検』は、ビジネスコンプライアンス検定をはじめとするさまざまな試験の過去問題にチャレンジできるアプリです。過去問題は購入が必要ですが、無料サンプルがついているのでお試し利用もできます。出題は2〜5択の選択式でタイマー管理も可能なため、忙しい人でも自分のペースで試験学習できるでしょう

ビジネスコンプライアンス検定を受験し企業活動に役立てよう

ビジネスコンプライアンス検定は、これからの企業経営に重要なコンプライアンスについて学べる試験です。忙しい社会人でも働きながら合格を目指せるので、受験し企業活動やキャリアアップ、スキルアップに役立てましょう。

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