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経理
2026/01/29 公開2026/01/30 更新

簿記1級は食いっぱぐれない資格?年収データと活かし方を徹底検証

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「500時間以上勉強したこの資格、本当に将来につながるのだろうか……」と不安に感じる方もいるでしょう。簿記1級に挑戦した人ほど、合格後にそんな不安を抱きがちです。難関資格である一方、「やめとけ」といった声も耳にします。

本記事では、年収データや求人の実態をもとに、簿記1級の本当の価値と活かし方を整理します。資格投資を無駄にしないための判断材料として、ぜひ参考にしてください。

簿記1級が「食いっぱぐれない」と言われる3つの根拠

簿記1級が「将来も仕事に困りにくい資格」と言われるのには、はっきりした理由があります。

まずは、その3つの理由を詳しくみていきましょう。

1、年収アップの実績

簿記1級は年収アップにつながりやすい資格です。MS-Japanのデータでは、日商簿記2級の平均年収が466万円前後にとどまるのに対し、1級取得者はおよそ574万円とされており、両者のあいだには100万円を超える差が見られます。

これは、日商簿記1級で身につく高度な会計スキルや専門性が市場で高く評価され、その分が給与水準にも反映されていることを示しています。企業側から見ると、難易度の高い会計処理を理解できる人材は貴重で、自然と責任ある業務を任されやすくなるでしょう。未経験の場合でも「将来的に高度な業務を任せられる」という期待値が年収レンジに反映されることもあります。結果として、長期的に見たときの収入の伸びが大きくなりやすいのです。

参考:MS-Japan 日商簿記1級は「食いっぱぐれない」って本当?活かせる仕事などもご紹介!

求人市場での優位性

簿記1級は求人市場で書類を通す力を持つ資格です。未経験でも簿記1級所持者は書類通過率が通常の3倍という高まったというデータもあります。

大手企業の経理職では「簿記1級必須」と明記された求人も一定数存在します。上場企業や監査法人、会計事務所など、会計レベルの高い環境ほど評価されやすく、未経験でも挑戦できる土台を作ってくれる資格といえるでしょう。

資格手当による実質年収アップ

簿記1級は入社後も収入を押し上げる仕組みを持っています。多くの企業では、簿記1級保持者に対して資格手当を支給しており、月1〜3万円程度が相場とされています。年間で考えると、決して小さくない金額です。

この手当は、業績や評価に左右されにくい固定収入である点が特徴です。昇給まで時間がかかる場合でも、資格を持っているだけで安定的に年収を底上げできます。転職直後やキャリア初期でも恩恵を受けやすく、長く働くほど効果を実感しやすい仕組みといえるでしょう。

「簿記1級はやめとけ」と言われる3つのデメリット

簿記1級は評価の高い資格である一方で、使い方を誤ると「思ったほど活かせない」と感じる場面もあります。

ここでは、よく指摘される3つのデメリットと、その具体的な対策を確認しておきましょう。

1、中小企業ではオーバースペックになる可能性

中小企業では簿記1級の知識を十分に活かせない場合があります。多くの中小企業では、日常的な仕訳や決算対応が中心となり、実務上は簿記2級レベルで足りるケースも少なくありません。そのため、簿記1級保持者に対して「業務内容に対して知識が過剰」「年収要求が高そう」といった先入観を持たれ、敬遠されることがあります。

このミスマッチを避けるには、企業規模だけでなく、連結決算や管理会計など高度な業務があるかを事前に確認することが重要です。求人票の業務内容を丁寧に見極めることで、資格を正当に評価してもらえる環境を選びやすくなります。

2、実務経験の方が評価されるケースもある

資格よりも実務経験が重視される場面は少なくありません。たとえば、簿記3級レベルでも長年の経理実務を経験している人のほうが、即戦力として評価されるケースがあります。企業が求めているのは「知識がある人」だけでなく、「入社後すぐに業務を回せる人」だからです。

そのため、簿記1級を持っていても実務経験がない場合、思うように評価されないことがあります。対策としては、資格にこだわりすぎず、できるだけ早い段階で実務経験を積むことです。資格と実務が組み合わさったとき、評価は大きく変わります。

3、学習コストに対するリターンの問題

簿記1級は学習負荷が非常に高い資格です。一般的に、合格までに500〜800時間ほどの学習が必要とされ、1年近く勉強に時間を割く人も珍しくありません。そのため、「同じ努力をするなら、税理士や公認会計士を目指した方が効率的ではないか」と感じる人がいるのも事実です。

この問題を避けるには、最初にキャリアのゴールを明確にすることが欠かせません。経理・財務の専門性を高めたいのか、将来独立を目指すのかによって、最適な資格は変わります。目的に合った選択をすることが、後悔しない近道です。

簿記1級が最も活きる転職先8選

簿記1級は、どの職場でも同じように評価される資格ではありません。会計レベルが高く、専門性が求められる環境ほど、その知識がそのまま武器になります。

ここからは、簿記1級が活きる転職先を8つ紹介します。

上場企業の経理・財務部門(難易度:中/年収:500〜700万円)

簿記1級の知識をストレートに活かせるのが上場企業の経理・財務部門です。上場企業では、連結決算や税効果会計、IFRS対応など、簿記2級ではカバーしきれない高度な会計処理が日常業務になります。これらは簿記1級の学習範囲と重なる部分が多く、知識をそのまま実務に落とし込みやすい点が特徴です。

実際に求人票でも「簿記1級必須」「同等の知識を有する方」と明記されるケースが見られます。経理アシスタントからスタートしても、将来的に決算や財務分析へ関われる可能性が高く、安定性と成長性を両立しやすい転職先です。

監査法人のスタッフ(難易度:高/年収:500〜650万円)

監査法人は公認会計士資格がなくても挑戦できる道があります。簿記1級を持っていれば、監査補助スタッフとして採用され、実務に早期から関われるケースも珍しくありません。監査では、会計基準の理解や財務諸表の読み解きが必須となるため、簿記1級の知識が評価されやすい環境です。

また、法人によっては会計士試験の受験支援制度を用意している場合もあります。実務を通じて経験を積みながら、次のステップとして上位資格を目指したい人にとって、実践と学習を両立できる選択肢といえるでしょう。

IPO準備企業の経理リーダー(難易度:中/年収:550〜750万円)

IPO準備企業は簿記1級の実践力が強く求められる職場です。上場準備では、連結会計や開示資料の作成、内部統制の整備など、専門性の高い業務が一気に増えます。こうした場面では、簿記1級で学んだ理論がそのまま業務理解につながるでしょう。

企業規模が比較的小さいことも多く、若いうちから裁量を持って働ける点も特徴です。20〜30代でも経理リーダーやマネージャー候補として期待されることがあり、キャリアアップを早めたい人には魅力的な環境でしょう。

会計コンサルティングファーム(難易度:高/年収:600〜900万円)

簿記1級はコンサル分野でも活用できます。会計コンサルティングでは、企業の財務課題を整理し、改善策を提案する力が求められるでしょう。簿記1級で身につく会計知識と論理的思考力は、その土台として有効です。

公認会計士とチームを組み、経営者に対して提案を行う場面も多く、M&Aや財務デューデリジェンス、業務改善など幅広い案件に関われます。難易度は高いものの、専門性と年収の両方を伸ばしたい人に向いた転職先です。

その他の転職先

そのほかにも、会計事務所、財務・経営企画部門、金融機関、企業内会計士など、簿記1級を評価する職場は存在します。

転職先

難易度

年収の目安

簿記1級必須度

会計事務所・税理士事務所

350~500万円

高い

財務・経営企画部門

600~800万円

やや高い

金融機関の審査部門

450~650万円

中程度

企業内会計士・CFO候補

700~1,000万円超

非常に高い

共通するのは「数字を理解し、説明できる人材」を求めている点です。自分の経験や将来像と照らし合わせ、知識を活かせる環境を選ぶことが重要になります。

年代別・経験別の簿記1級最適活用法

簿記1級は、年齢やキャリア段階によって活かし方が大きく変わる資格です。自分の立ち位置に合った使い方を選ぶことで、評価や年収につながりやすくなります。

以下で、年代別・経験別の簿記1級活用法をみていきましょう。

20代・未経験者|大企業経理でキャリアをスタート

20代の未経験者は「ポテンシャル+簿記1級」を武器に大企業を狙う戦略が有効です。大手企業では、長期育成を前提とした採用が多く、基礎知識がある若手は評価されやすい傾向があります。簿記1級を持っていれば、会計理論を理解している証明となり、未経験でも書類選考で不利になりにくくなるでしょう。

東証プライム上場企業の経理アシスタントやジュニアポジションは狙い目です。入社後に決算業務へ段階的に関われる環境も多く、年収500〜600万円程度からキャリアを積み上げていけます。

30代・経験者|経営企画・CFO候補へステップアップ

30代は簿記1級の価値がもっとも発揮されやすい年代です。すでに経理経験がある場合、簿記1級で得た知識を掛け合わせることで、単なる実務担当から戦略領域へと役割を広げやすくなります。財務分析や事業計画の理解力が評価され、財務・経営企画ポジションへの転換も現実的です。

成長ベンチャーでは、CFO候補として管理部門全体を見渡せる人材が求められています。経験と資格が噛み合えば、年収700〜900万円以上を視野に入れたキャリア形成も十分に可能でしょう。

40代・管理職|資格手当と役職昇進で年収アップ

40代では「転職」よりも「今の環境での活用」が現実的な選択肢になるでしょう。多くの企業では、簿記1級取得者に資格手当を支給しており、月1〜3万円の上乗せが期待できます。管理職であれば、役職手当と組み合わさり、安定的な収入増につながるでしょう。

また、子会社CFOや管理責任者への異動といった形で、役割が広がるケースもあります。結果として、年収ベースで100〜200万円程度の上昇が見込めることもあり、経験を活かした堅実な活用法といえるでしょう。

簿記1級を「食いっぱぐれない資格」に変える3つの方法

簿記1級は、取得しただけでは将来が保証される資格ではありません。行動と組み合わせてこそ、市場価値の高い「使える資格」に変わります。

ここからは、簿記1級を活かすための3つの方法を紹介します。

1、合格後すぐに転職活動を開始する(3ヶ月ルール)

簿記1級は合格直後がもっとも評価されやすいタイミングです。知識が新鮮なうちは、面接でも連結会計や原価計算について具体的に説明でき、理解度の高さを伝えやすくなります。一方で、時間が経つと「なぜ合格後すぐに動かなかったのか」と疑問を持たれることもあるでしょう。

未経験の場合、年齢が上がるほど採用のハードルは高くなります。合格から3ヶ月以内を目安に転職活動を始めることで、資格の価値を最大限に引き出しやすくなるでしょう。

2、上位資格との二刀流でキャリアの幅を広げる

簿記1級はゴールではなく、土台になる資格です。簿記1級を取得すると、税理士試験の簿記論・財務諸表論に必要な基礎がほぼ完成します。そのため、上位資格へのステップアップが現実的な選択肢になるでしょう。

税理士科目合格を重ねれば、年収1,000万円超の高年収ポジションや専門性の高い業務に挑戦できる可能性が広がります。将来的に独立開業を視野に入れる場合でも、簿記1級との組み合わせは強力な武器になるはずです。

3、定期的な復習と業界知識のアップデートを継続

資格の価値を保つには学び続ける姿勢が欠かせません。連結会計や原価計算は、使わない期間が続くと理解が薄れやすい分野です。年に1回でも模擬試験や問題演習で復習することで、知識を実務レベルに保てます。

加えて、会計基準の改正情報や業界ニュース、企業のIR情報を定期的に確認することも重要です。こうした積み重ねが、簿記1級を長く通用する資格へと育ててくれます。

簿記1級は「活かし方次第」で食いっぱぐれない資格になる

簿記1級は、取得しただけで将来が約束される資格ではありません。しかし、転職のタイミングを逃さず、実務経験や上位資格と組み合わせて使えば、年収やキャリアの選択肢を着実に広げられます。自分の年代や経験に合った環境を選び、学び続ける姿勢を持てば、簿記1級は長期的に通用する食いっぱぐれない資格になるでしょう。資格をどこで、どのように活かすかお悩みの方は、WARC AGENTまでお気軽にご相談ください。

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株式会社WARC

WARC AGENT マガジン編集部

「人材紹介の『負』の解消を目指す、新しい転職エージェント」をビジョンに、ハイクラス人材紹介事業を展開しているWARC AGENT。WARC AGENT マガジン編集部は、このビジョンを支えるために、転職者に役立つ情報を執筆し、個々のキャリア形成をサポートしていきます。

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