「経理の仕事って、具体的には何をするんだろう?」「経理部の業務内容や役割についてもっと詳しく知りたい!」そんな疑問をお持ちではありませんか?
経理部は、企業の「お金の流れ」を管理し、経営の土台を支える重要な部署です。その役割や仕事内容は多岐にわたり、日々の取引を記録する「記帳業務」や、企業の資金を管理する「資金管理業務」などが含まれます。
本記事では、経理部の役割や仕事内容、キャリアパスについて分かりやすく解説します。経理の仕事に興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
経理部は、企業においてお金に関するあらゆる管理を行う重要な部門です。その業務は幅広く、企業経営の基盤を支える役割を果たしています。
経理部は企業の「お金」に関するすべてを管理し、経営の健康状態を維持する部門です。
具体的には、以下のような業務を通じて企業活動を支えています。
経理部は、営業や生産部門のように直接的に利益を生むわけではありません。しかし、適切な財務管理や法令遵守がなければ、企業全体が混乱し、経営に深刻な影響を及ぼします。経理部は企業全体を支える「見えない柱」のような存在といえるでしょう。
経理部の財務管理は企業の成長と安定に直結する業務です。
財務管理には、以下の3つの役割があります。
資金管理が適切でないと、資金繰りが悪化し、取引先への支払いが滞る可能性がでてきます。また、予算管理が甘ければ、収益目標を達成できず、最悪の場合は赤字経営に陥ることも考えられるでしょう。
経理部はこれらの業務を通じて、企業が安定した経営を行えるように支えています。
経理部の仕事は、企業のお金に関するあらゆる業務を管理する重要な仕事です。ここからは、経理部の基本業務について詳しく解説します。
基本的な業務は以下のとおりです。
出納業務 | 現金・預金の管理 |
記帳業務 | 日々の取引記録 |
集計業務 | 試算表・決算書の作成 |
給与計算 | 従業員への給与支払い |
出納業務は企業のお金を「安全に管理し、正確に使う」ための業務です。現金や預金の出入りを常に把握し、不正やミスが起こらないよう注意を払います。
取引先への支払い手続きや、社員の経費精算処理がこの業務の一つです。
記帳業務は、すべての取引を正確に記録する業務です。これにより、企業の収支が透明化され、将来的な分析や報告が可能になります。
たとえば、売上や仕入れなどの詳細を会計ソフトに入力し、適切に分類して管理する業務です。
集計業務は、試算表や決算書など、企業の財務状況を一目で確認できる資料を作成する業務です。これらの資料は、経営陣が会社の状態を把握するための重要な指標となります。
給与計算は、従業員に正確に給与を支払うための業務です。基本給や残業代、税金や社会保険料などの控除額を考慮して、ミスのない計算が求められます。
財務関連の業務は以下のとおりです。
資金管理 | 企業の資金の流れを管理する |
予算管理 | 収支計画の策定と管理 |
財務分析 | 経営状態を把握する |
資金管理とは、企業内の資金が適切に運用されるように管理する業務です。仕入先への支払い、従業員の給与、運転資金などを計画的に管理します。
予算管理は、企業が設定した収益目標を達成するための重要なプロセスです。具体的には、各部署から提出される予算案を取りまとめ、全体の収支計画を作成します。
財務分析は、企業の経営状態を客観的なデータを基に評価する業務です。財務分析を定期的に行うことで、経営者は適切な意思決定を行いやすくなります。
経理部は、企業のお金に関する業務を担当する特化型の部門ですが、他の部門とどう異なるのでしょうか。
以下で、違いについて確認していきましょう。
経理部と総務部の最大の違いは、「扱う業務の範囲」と「専門性の深さ」にあります。
経理部は、主に企業のお金に関するデータを管理し、試算表や決算書を作成するなど、専門的な知識が必要な業務が担当です。
一方、総務部は企業全体の運営を支える役割を持ち、人事、労務管理、施設管理など幅広い業務を担います。
具体例を挙げると、経理部が「経費精算の記録と管理」を行うのに対し、総務部は「経費精算ルールの作成」や「従業員からの申請受付」を担当することが一般的です。
経理部と財務部は、似ているようで明確な役割の違いがあります。
経理部は、日々の取引の記録や財務データの管理を通じて、「過去の経営実績」を反映する業務が中心です。
一方、財務部は、資金調達や投資計画の策定など、「未来の経営戦略」に直結する業務を担当します。
たとえば、経理部が「売掛金や買掛金の管理」を行うのに対し、財務部は「資金繰り表の作成」や「銀行との交渉」を行います。
このように、両部門は密接に連携しながらも異なる視点で企業の財務を支えているのです。
経理部と人事・労務部門の関係は、従業員に関する業務で連携します。
給与計算では、労務部門が従業員の勤務データや人事情報を提供し、それを基に経理部が実際の支払いを処理します。また、社会保険料や税金の計算でも、両部門が連携する必要があるでしょう。
具体例として、労務部門が「残業時間の集計」を行い、そのデータを経理部が「給与明細の作成」に反映するプロセスが挙げられます。
このような連携がスムーズに行われることで、従業員満足度の向上やミスの防止につながるでしょう。
経理部の業務は、日次・月次・年次の3つのサイクルに分かれています。これらは、企業の財務状況を適切に管理し、経営を支えるために欠かせないプロセスです。
以下では、それぞれの業務内容を詳しく解説します。
日次業務とは、毎日欠かさず行う基礎的な経理業務を指します。現金や預金の入出金確認、伝票の処理、取引記録の入力などの業務です。
たとえば、取引先からの入金が適切に行われているかを確認し、必要であれば未回収分について迅速に対応します。社員が提出した経費精算書をチェックし、経費項目ごとに記帳するのも大切な業務です。
日次業務を正確かつ迅速に行うことで、データの正確性が保たれ、月次業務や年次業務がスムーズに進むでしょう。
月次業務は、企業の1か月間の財務活動をまとめる作業です。主な業務には、試算表の作成、給与計算、税金の支払いなどが含まれます。
具体的には、月末には売掛金と買掛金を照合し、不一致があれば修正します。また、各部署の予算使用状況を確認し、翌月の予算計画に役立てるのも重要な業務です。
この段階で不備があると、年次業務に大きな影響を与えるため、特に慎重な管理が求められます。
年次業務では、1年の集大成ともいえる「決算業務」を行います。これは、企業の財務状態を明確にし、税務申告や株主への報告を行うために不可欠です。
具体的には、貸借対照表(バランスシート)や損益計算書(PL)を作成します。そのほか、株主総会の準備や源泉徴収税の管理や支払いも年次業務の一つです。
経理部の業務サイクルは、日々の記録から年間の集計まで一貫して正確性が求められる作業です。この流れを理解することで、経理部の重要性を改めて実感できるでしょう。
経理部は企業経営に欠かせない重要な役割を担っていますが、日々さまざまな課題に直面しています。
本章では、経理部が抱える主な課題と、その解決策について解説するので、確認していきましょう。
経理部の人員不足は、多くの企業で深刻な問題となっています。とくに、ベテラン社員の退職や、業務の専門性の高さが原因となり、スムーズな引き継ぎが難しい状況が生まれがちです。
この課題への解決策として、以下の方法が効果的といわれています。
これらの施策により、業務が効率化され、人材不足のリスクが軽減されるでしょう。
実は、経理部の多くの業務は手作業に依存しており、非効率なプロセスが生まれやすい状況にあります。
たとえば、請求書や伝票処理を手作業で行うと、入力ミスや確認作業に時間がかかり、全体のスピードが遅れる原因になるでしょう。そのため、業務を効率化する必要があり、課題となっています。
解決策として考えられるのは、以下の取り組みです。
紙の書類をデジタル化することで、処理時間を短縮します。
効率化を進めることで、経理部全体の生産性が向上するでしょう。
経理業務の負担軽減や正確性を高めるために、デジタル化・自動化の推進が課題となっています。
たとえば、会計ソフトやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入することで、日常的な記帳作業やデータ集計を自動化できます。
また、AI技術を活用すれば、財務分析の精度も向上するでしょう。
これにより、経理部の業務負担が大幅に削減され、戦略的な業務に集中できる環境が整います。
経理部でのキャリアパスは、多くの人にとって魅力的な選択肢です。
入社後の昇進や専門性を活かした役職へのステップアップ、さらにはCFO(最高財務責任者)への道も描けます。
経理部門内での昇進は、専門知識と経験を積み重ねることで実現可能です。
経理部のキャリアは、一般的に「経理スタッフ」からスタートします。ここでは、日常的な記帳業務や出納業務を担当することが多いでしょう。その後、実務経験を積むにつれて、課長や部長へとステップを進めることが可能です。
昇進には、会計士や税理士などの資格取得が有利となります。また、定期的な研修への参加や自己学習も必要といえるでしょう。
CFO(最高財務責任者)は、経理や財務部門の頂点ともいえるポジションです。CFOになるためには、単に経理の知識だけでなく、経営視点を持った財務戦略の策定能力が求められます。
CFOを目指す際に重要なのは以下のスキルです。
具体的なステップとしては、経理部門の管理職を経験した後、財務部門や企画部門での実務経験を積むことが一般的です。
さらに、公認会計士やMBA(経営学修士)の取得もキャリアアップに有効な手段とされています。
▼CFOについて詳しくはこちら
CFOという役職とは何か?各役職との違いについても詳しく解説!
経理の仕事でキャリアアップを目指す場合、転職エージェントの活用は非常に効果的です。
転職エージェントは、以下のようなサポートを提供します。
とくに、経理部門は専門性が高い職種のため、企業ごとの求めるスキルや経験が明確です。転職エージェントを通じてその情報を得られることは、大きな強みとなります。
キャリアアップの第一歩を踏み出すためにも、積極的に活用してみましょう。
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