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コラム
2024/11/06 更新

何のために働くのか?仕事する意義を年代別に考察

はじめに

今日は「何のために働くんだっけ?」という論点について考察してみたいと思います。

この論点は、年齢層によって結論が変わるなと思うので、今回は以下の年代ごとに考えてみたいと思います。

  • 新卒
  • 20代後半~30代前半
  • 30代後半
  • 40代以上

それでは早速新卒から検討していきましょう。

新卒

新卒の場合、大卒又は修士卒ということになるので、年齢としては22歳~25歳くらいだと思います。
このくらいの年齢のときに将来どう生きるのかまで考えて、数十年先を予測して働き始めるなんてことは稀だと思います。
多くの新卒はまだ学生気分が抜けず、働きたくないけど働かざるを得ないという状態でしょう。

この年代の皆さんに働く目的を考えろということ自体が酷な気がしますが、あえて推奨させていただくと、組織文化を知るために働いて欲しいなと思っています。

組織文化とは、それぞれの会社が持っている暗黙のルールのようなもので、経営者の価値観がそこに反映されています。
従業員が非常に多い会社では、部署や支社ごとに文化が変わります。
その組織文化をできる限り早く分析して、他にどのような文化が存在しているのかを知りましょう。
そうすることで、未来のキャリアの選択肢が見えるようになってきます。

私が知っている範囲では、たとえば以下のような組織文化が存在します。

  • 体育会系:論理より根性!結果!売上!上司のいうことには絶対服従!
  • 徹底競争:意図的に従業員間、部署間を争わせることで業績を上げようとする
  • Up or Out:出世するか、もしくは去れ!(外資コンサルに多い文化)
  • ゆるふわまったり:細分化された作業だけを日々こなす(出世や昇給はあまりない)
  • ベルトコンベア:毎日同じことをひたすら繰り返す
  • 専門性重視:資格や専門知識を保有している人たちが重宝される
  • 学習重視:学習し続けることを推奨される
  • プロジェクト重視:案件ごとに即席チームを作って案件をひたすらこなしていく
  • ジョブローテーション:様々な部署の経験を積んで総合人材になることを良しとする
  • 論理重視:徹底したロジカルシンキングで業務を回す
  • 放置:従業員の自主性に任せる
  • その場しのぎ:方針や文化などがなく、その場しのぎの意思決定の連続

    etc...

上記のように組織文化は様々で、会社ごとに全く文化が異なります。
場合によっては二種類以上の文化が融合されてよくわからない会社になっていることもあります。
新卒の頃にこういった文化をいくつも知っておけば、自分が求める理想の職場をイメージしやすくなりますし、いつかくる転職のときに、職場選びの基準になると思います。

20代後半~30代前半

一部の例外を除いて、20代後半から30代前半までの間は、ビジネスマンとしての成長期に入ります。
ゆえに、この年代の皆様には、経験を買うために働くという目的を持っておいていただきたいと考えています。

仮に22歳で新卒入社した場合、この年代の皆さんは会社に3年以上在籍しているはずなので、ある程度仕事を覚え、周りも見えてきます。
そして、上司などを観察する限り、自分の将来もある程度見えてしまう時期です。

私自身もそうでしたし、周りの同期たちもそうでしたが、良くも悪くも、上司を見ればある程度自分の将来が見えてしまうのです。
40歳の頃、50歳の頃、いくらくらい稼げて、どういう能力を身につけられて、会社内でどのような地位にいるのか。
それを嬉しく感じる人もいると思いますし、将来設計が立てやすいと思う人もいるかもしれませんが、私はとても怖くなりました。

上司が憧れの対象で、一生勝てないかもしれないと思えるほどの人物だったらいいのですが、そうではない場合、少なからず絶望感を抱きます。
自分がこの会社で学べることの範囲が明確に見えて、年収の上限もわかってしまうわけですから、もう一生分のイメージが出来上がってしまうのです。
たとえ自分の努力や時間を代償として支払う覚悟はあっても、上限が決まっている状態です。
安定を求める価値観の人であればある意味最高の場所なのかもしれませんが、私は安定なんて幻想だと思っているタイプだったので、恐怖しか感じませんでした。

もし同じような価値観を持っている人がいるならば、20代後半から30代前半までは、価値のある経験を積むことに注力した方が良いと思います。
その会社、組織で、良い経験が積めないと思うなら、転職という選択肢を検討すべきです。
転職を通じて経験を買うという発想を持って転職先を検討すると、良い転職になりやすいと思います。

30代後半

30代後半は、成熟期又は全盛期だと思っています。
ゆえに、できる限り多くのお金を稼ぐために働くべき時期だと考えています。
もちろん出世による肩書の変化を伴っていた方が良いです。

この年齢層になると、年収1000万円を超える人が珍しくなくなりますし、部長、執行役員、取締役などになる人も出始めます。
今までに学んできたこと、経験してきたこと総動員して稼ぐ時期です。
まだこの年代であれば体の無理もギリギリ利く年齢だと思うので、ここで頑張って年収を上げておくべきです。
そういう意味ではアウトプット中心の生活になると思います。

20代~30代前半までは、覚えないといけないことがいっぱいあるので、インプット中心になる傾向がありますが、30代後半からはそれをアウトプットすることで実績を出していかないといけません。
優秀なライバルたちがどんどん出世していく年代なので、負けないようにチャンスを掴んでいきましょう。

なお、今勤めている会社での出世枠がほとんどないということであれば、転職を検討すべきでもあります。
私の感覚では30代後半は転職時期としては少し遅いくらいなので、ラストチャンスのつもりで戦いの場を探すと良いと思います。
この年代で管理職や上級役職になれていれば、40代以降でも転職先を見つけやすくなるので、頑張りどきです。

40代以上

最後に40代以上について考えてみます。

私がまだその年齢に到達できていないので、まだなんともいえないところなんですが、個人的な見解としてはこの年齢層からは安定期にしたいと思っています。
30代後半までにしっかりと年収と役職を上げて、40代以降からは部下の教育や育成に力を入れて生きていきたいです。
そういう意味で、安定のために働く時期かなという考えを持っています。

この年代になってくると、お子さんが高校・大学に入るという人も多いと思いますので、学費の負担でかなりしんどくなる時期です。
思春期の子育てはある意味一番大変だと思いますので、この時期に仕事が安定していないというのは辛いものがあります。
30代後半までの頑張りのご褒美として、安定期に入れるように今頑張っておきたいですね。

おわりに

今回は年齢層別に「何のために働くのか」について考えてみました。
共感してくださる方も、そうでない方も、お読みいただいてありがとうございます。

20代から30代の皆さんはいろいろ悩む時期だと思うので、転職しようかなと思っている人も多いと思います。
そんなときは、自分が今何のために働いているのか、これから何のために働くべきなのかを考えてみて、それに従って意思決定をすると良いと思います。
人それぞれ働く目的は違うと思うので、時間を作って考えてみると良い答えが見つかるかもしれませんよ。

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株式会社WARC

瀧田桜司

役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長/ 学歴:一橋大学大学院法学研究科修士課程修了(経営法学)及び京都大学私学経営Certificate/ 執筆分野:経営学・心理学・資格・キャリア分野のコラム記事を担当させていただく予定です

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