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心理学に基づくストレス対処法をご紹介します

2024/02/02 更新

はじめに

本連載では、ビジネスで活用できそうな心理学理論や重要なキーワードをご紹介しております。

今回はストレスフルな現代社会で生きる皆様に、心理学分野で研究が進んでいる「ストレス対処法」をいくつかご紹介していきたいと思います。
その名も「ストレス・コーピング」です!

1.ストレス・コーピングとは

ストレス・コーピングとは、ストレスへの対処行動のことを意味します。
日本語でいうならば、ストレス改善法又はストレス対処法ともいえるものです。

現代社会は複雑かつ変化が激しいので、我々は常に多くのストレッサー(ストレスの原因)にさらされています。
このような時代を生き抜くためには、ストレス・コーピングの知識・技術が必要不可欠です。

しかし、ストレス・コーピングを学校で教わることはほぼありません。
少なくとも私は学校で学んだことがありませんので、多くの学校では未だにストレスへの対処法を教えていないのだろうと思われます。

そもそも、学校の先生自体が最もストレスに悩まされていて、精神的な理由による退職者が後を絶たないような状況に陥っています。
ストレスによって体や心を壊してしまうと、その後長期間に渡って社会で生きづらくなってしまうので、大人の教養の一つとして、ストレス・コーピングを学んでおきましょう。
以下では、ストレス・コーピングの方法を類型ごとにいくつかご紹介いたしますので、是非参考になさってください。

2.ストレス・コーピングの類型

現在、ストレス・コーピングの研究論文は無数に存在しますが、その多くが難解な文章で書かれていることが多いため、なかなか実務で応用し辛いところがあります。
そこで今回は、主要なストレス・コーピングを類型化し、簡単に解説していきます。

ということで、今回ご紹介するストレス・コーピングの種類は以下のとおりです。

(1)問題解決型
(2)感情発散型
(3)気晴らし型
(4)思考転換型
(5)支援探索型

以下、一つずつご説明いたします。

(1)問題解決型

問題解決型は、ストレスの原因となっている問題そのものを解決することでストレスの解消・軽減を図るストレス・コーピングです。
ストレスの根本を消滅させる方法なので、最も解決力のある方法といえます。

例えば、社内又は学内でいじめにあっている場合などに、当該加害者からの加害を排除するために、人事部や上長に相談するケースや教師・親などに相談するケースなどが挙げられます。
これで完全に解決するとは限りませんが、少なくとも問題が顕在化し、自分以外の誰かにも問題の存在が明らかになるため、解決しやすい状況を作り出すことができます。
問題解決型のストレス・コーピングは、最初の一歩を踏み出すのに勇気が必要となりますが、一度解決に動き出してしまえば様々な策が出てくるため、問題解決に向かいやすくなります。

なお、他者に相談しても解決しない場合は、最終的には警察への相談や訴訟等の強制的手段を用いることも可能で、このような手段も問題解決型に含まれます。

(2)感情発散型

感情発散型は、負の感情を周りに表出し、他人に聞いてもらうことでストレスの軽減を図るストレス・コーピングです。

ストレスの原因が解決可能なものではれば上記の問題解決型のストレス・コーピングが活用できますが、解決不能なものも存在します。
例えば、家族や恋人を亡くしてしまった悲しみや取り返しがつかない失敗などです。
このような種類のストレスに対しては、感情発散型のストレス・コーピングが適しています。

いつでも親身になって話を聞いてくれる友人・家族を持つことですぐにでも実践可能な方法なので、汎用性が高い方法といえます。

(3)気晴らし型

気晴らし型は、ストレスを一時的に忘れてしまうような気晴らし行為を行うことでストレスの解消・軽減を図るストレス・コーピングです。

例えば、趣味の旅行や映画などで気を紛らわせたり、友人と飲み会に行ったりすることなどが該当します。
ストレス耐性が高い人達の多くは、このような気晴らしになるような趣味を多く持っていて、休日になると活発に活動して気分転換を図っています。

一方で、ストレス耐性が高くない人は、趣味と呼べるものを持っていなかったり、極端に交友関係が狭かったりするので、意識的に自分の習慣を変えてみると効果的かもしれません。

なお、気晴らし型のストレス・コーピングの中でより効果的なのは、軽い運動を伴う気晴らし行為と言われています。
各種スポーツ、ジョギング、サイクリング、ハイキング、散歩などが代表例です。

(4)思考転換型

思考転換型は、ストレスの原因となっている事実に対する考え方や捉え方を変えることでストレスの解消・軽減を図るストレス・コーピングです。

例えば、資格試験で数点足りずに落ちてしまったときに、強いストレスを感じてしまったとします。
この事実を客観的に見ると「数点足りなかった」と捉えることができます。
しかし別の見方をすると「合格まであと数点」と考えることもできます。
つまり、同じ事実であっても、全く異なる捉え方ができるわけです。
このように、物事に対する考え方や捉え方を変化させることで、ストレスの軽減を行うことができます。

最近の研究では、ポジティブ心理学という分野でこれと同様の方法が研究されています。
ただ、このストレス・コーピングは向き不向きが強く出やすいです。
元々ポジティブな人の場合はすんなりとマスターできる方法なのですが、ネガティブな考え方をし易い人だとなかなか身につけるのが難しい方法かもしれません。

(5)支援探索型

支援探索型は、自分以外の誰かに助けを求めることでストレスの解消・軽減を図るストレス・コーピングです。

この類型は、問題解決型と共通する部分も多い方法です。
問題解決型との主な違いは、問題解決だけを目的としているものではないという点です。
様々な形で支援をしてくれる人を探すという方法なので、解決自体を目的としないことも多いです。

このストレス・コーピングが上手な人は、自分が大きなストレスを感じる前に周りに助けを求める傾向があります。
助けられ上手と言っても良いかもしれません。
そういう人はストレスを感じる機会そのものを減らすことにも長けています。

以上、5つのストレス・コーピングを簡単にですが解説させていただきました。
これらの方法は複数同時に行っても構いませんので、ひとまずは上記5類型を頭に入れて、日頃から意識してみるところから始めてみましょう。

おわりに

ということで今回は、ストレス・コーピングというストレスへの対処法をいくつかご紹介させていただきました。
社会人経験が豊富な皆様にとっては既によく知っている方法ばかりだったと思います。

しかし、上手に活用できている人は少数派です。
特に社会人になりたての若手の皆さんはストレス・コーピングを全く知らないということも多いので、ぜひ教えてあげてください。

ではまた次回。

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株式会社WARC

瀧田桜司

役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長/ 学歴:一橋大学大学院法学研究科修士課程修了(経営法学)及び京都大学私学経営Certificate/ 資格:司法試験予備試験・行政書士など/ 執筆分野:経営学・心理学・資格・キャリア分野のコラム記事を担当させていただく予定です