今回は、ベンチャー企業におけるタスクマネジメントスキルについて書いていきたいと思います。
これができればすべて解決というほど甘くはないのですが、本記事に書かれている5つのスキルを身に着けていれば、少しは忙しさが改善されるのではないかと思います。
これからベンチャーで働こうと思っている若手ビジネスマンの皆様の参考になれば幸いです。
ベンチャー企業では、基本的に人員が不足しています。
少数精鋭でタスクを回していかないといけないため、事務処理能力が高い人ほどタスクを抱え込みがちです。
しかし、このような活動は長続きしません。
抱え込んだタスクが労働時間に反映され、残業時間となって現れていきます。
そして、長時間労働が常態化すると、少しずつ心身を蝕まれていき、最終的には体調を崩します。
特にマネジメント層がこういう働き方を続けている組織は強くなりませんし、ずっと弱いままです。
たしかに、マネージャー自身は自分で多くのタスクをこなすことで自己重要感が増しますし、それによって存在意義を感じられるかもしれませんが、それは所詮自己満足の世界で、会社の全体利益を考えたら不適切な行為です。
マネージャーの一部は「部下に任せてもどうせ自分に返ってくるし、自分でやったほうが早い」などと反論するかもしれません。
しかしこれは視点を変えると「私には人に教える能力も、育てる能力もありません。自分で処理するしかできない人間です」と言っているようなものです。
それならマネージャーをやるべきではありません。
誰もが最初はできなくて当然なのですから、どんどん部下に失敗する経験を与えてあげてほしいところです。
しっかりとゴールを示し、タスク処理の要所を教えて(できれば実演してみせて)、実際にやらせてみる。
そうやって一つずつタスク処理のいろはを伝承していくべきです。
マネージャーの最大の仕事は部下を育てることであって、自分で大量のタスクを処理して悦に浸ることではありません。
タスクを抱え込まないというスキルを早く身に着けて、良き教育者になりましょう。
タスクマネジメントが下手な人は、自分の限界を理解していない人です。
元々人間の体はそんなに頑丈にできていないので、どんな超人でも無理をすれば必ず壊れていきます。
だからこそ自分の健康が有限な資産であることをまず理解しなければなりません。
タスクマネジメントが上手な人たちは、常に8割くらいの力でこなせる量だけを引き受けます。
全力を出すのは「ここぞ!」というときの一瞬だけです。
そのような運用で仕事を行う趣旨は、突発的かつ緊急的なタスクを処理できるだけの余力を残しておくことにあります。
ベンチャーでは突発的に大きめのタスクが降り掛かってくることがあるので、それに備えているのです。
常に100で頑張っていると、本当に大事なときに踏ん張りが利かなくなり、パンクしてしまいます。
そうなると同僚や上司に迷惑をかけてしまうことになるので、常に2割くらいは余裕を作っておきましょう。
この世にマルチタスクが可能な人間などほぼ存在しません。
実際にマルチタスクができている人を見たこともありません。
高いレベルで仕事を完成させる人は、目の前の一つのタスクに集中しています。
別の見方をするならば、良い仕事がしたいなら、一つのことに集中しなければならないということです。
スタンフォード大学の認知科学の研究でも、マルチタスクの生産性の低さ・集中力の欠如が証明されていますので、一つのタスクに集中して終わらせるという習慣を身につけておくべきだと思います。
人間は一つのことにしか集中できないことは前項で述べました。
でも、それだけでは問題は解決されていません。
ベンチャーでの最大の問題は、タスクの量が多いことです。
ちょっとでも気を抜いているとすぐに増えます。
そこで、脳内で瞬時に優先順位をつけられるようにしておかないといけません。
コツとしては、以下の2つの要素で場合分けすると良いです。
ここでいう重要度とは、会社にとっての重要度です。
営業であれば1件あたりの利益額としても構いません。
経営管理部のタスクであれば、事業部に対する貢献度や経営に対する影響度などと解釈すれば良いと思います。
一方で、緊急度は、時間的な余裕です。
タスクを完了させないといけない時点までの期限が短いほど緊急度は高くなります。
これら2つの要素の組み合わせによって、以下のように優先順位をつけます。
あとは優先順位のとおりにタスクを一つずつ処理していけば良いだけです。
慣れてしまえば脳内で瞬時に優先順位をつけられるようになると思いますので優先順位で悩んでいる方はお試しあれ。
ベンチャー企業でタスクを高速で処理し続けていると、周りの人達から頼りにされますし、褒められます。
それを繰り返していると処理能力がさらに上がっていくので、徐々に一人で大量のタスクを処理できるようになっていきます。
しかし、いつかは必ず限界が来て、自分の処理能力では如何ともし難い状況に陥ります。
その時に、責任感と負けん気が強い人ほど自分を追い込んでしまって、自滅してしまうことになります。
これを防止するために、日頃からチームを作るという意識を持っておくべきです。
緊急時に助けてもらえるように、そして仲間がピンチのときに助けられるように、常々周りの人たちに配慮して、組織全体のタスク量の配分割合などを観察しておきましょう。
これができる人は、組織全体を見る癖がついていくので、先々マネジメント層に任命されやすくなります。
ベンチャー企業は少数精鋭で大量のタスクを処理しないといけない関係で、全体を見れる人じゃないとマネジメントができないのです。
若いうちからその素養を磨くことも大事なのことなので、自分のタスク管理を通じて学習していくと一石二鳥です。
今回はタスクマネジメントにおける5つのスキルをご紹介しました。
特に重要なものは優先順位をつけることです。
これができるようになれば、各タスクの重要度や影響度を分析できるようになると思うので、派生的に周りの状況を分析する能力も高まっていくと思います。
ベンチャーで日々働くのはとても大変だと思いますが、頑張っていきましょう。
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内容に応じて担当者がお返事させていただきます。