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コラム
2024/09/08 更新

忙しいビジネスマンが勉強時間を確保する方法

はじめに

社会人になってからでも勉強自体はしないといけません。
専門職であれば日々の勉強も報酬の中に含まれていると考えても良いくらいです。

しかし、現実的な問題として、仕事を頑張れば頑張るほど、勉強時間の確保が難しくなっていきます。
その論点を解決する方法がないか、毎日発生する以下の8つのイベントごとに検討していきたいと思います。

  1. 睡眠時間
  2. 朝食
  3. 通勤(行き・帰り)
  4. 仕事
  5. 昼食
  6. 夕食
  7. 風呂
  8. 家事

(1)睡眠時間

勉強時間を確保するために、多くの社会人が行っていることといえば「睡眠時間の削減」です。
これが最も簡単で、すぐに実行できる方法です。

20代ならばまだ体力も残っているでしょうから、数ヶ月なら何とかなります。
しかし、睡眠時間を削ることはあまりお勧めできません。

人間は睡眠によって生かされているので、睡眠時間を削れば削るほど、脳の機能も体の機能も低下していきます。
寝不足が続くと、記憶力や思考の回転速度も格段落ちるため、勉強したものが全く頭に残らないという非効率極まりない結果を招きます。
最終的には寿命を縮めることに繋がるので、得るものはほとんどないと言っても良いでしょう。

したがって、少なくとも6時間の睡眠は確保しましょう。
できれば平均7時間は睡眠を取りたいところです。
そのくらいの時間眠らないと、脳の機能が十分に働かないからです。

(2)朝食

一人暮らしの人にとって、朝食は意外と大敵です。
マメな人は毎日自分で作っているかもしれませんが、それを行うと毎日30分程度の時間を取られることになると思います。
この時間は地味に効いてくるので、できれば簡単な朝食で済ませたいところです。

例えば土日に作り置きしておくとか、シリアルなどの簡易的な朝食にするなどして工夫する必要があります。

勉強が習慣化している猛者たちの場合、その多くが朝食に時間をかけていないようです。
代わりに、野菜ジュースだけとか、ヨーグルトだけとか、すぐに飲み込めるタイプの朝食を摂っている人が大半でした。

その他、シリアルを5種類ほど常備しておいて、それをローテーションで回しているという人もいらっしゃいます。
飽きにくい方法として一つの参考になります。

和食好きの知人は、汁物ローテーション方式を採用しておりました。
市販のインスタント味噌汁及びスープを常時20種類くらい常備しているそうで、お湯を注いで飲むだけらしいです。
これも賢いやり方だと思います。

もしかしたら、シリアルローテーション方式と味噌汁ローテーション方式を併用すれば、ほぼ飽きずに食べられるかもしれません。
いずれにしても、朝食の時間を極力短くして、朝のゴールデンタイムを少しでも勉強に充てるという工夫が必要です。
それだけで毎日30分程度は勉強時間が増えますので、年間で182.5時間の勉強時間を確保できます。

(3)通勤(行き・帰り)

通勤については大きく2つの考え方があります。

1つ目は、通勤時間を極力ゼロに近づけるという考え方です。

最も簡単な方法は、会社のすぐ近くのマンションに住むことです。
徒歩10分圏内に住めば通勤時間を極端に少なくできますので、ギリギリまで家で勉強をすることができます。

実際にそうやって生活しているビジネスマンも私の周りには多いので、非常に賢い選択だと思います。

しかし、この方法には通常大きなデメリットが伴います。
それは、家賃が高くなるという点です。

オフィスは大抵都心部にありますので、そのすぐ近くに住むと、家賃が2~5割ほど高くなります。
部屋を極端に狭くするか、古い物件に住むかして工夫をしないと家賃だけで相当な金額を負担しないといけなくなります。

そこでもう一つの考え方が出てきます。

それは、あえてオフィスから離れたところに住んで通勤時間を勉強時間に充てるという考え方です。

この方法では、基本的に終点駅又は人が少ない各駅停車駅を狙って物件を探します。
ほぼ確実に座れる地域に住んで、電車内で勉強をするのです。

この方法の良い点は、都心から離れた場所に住むことになるため、家賃が安くなるという点にあります。
通勤費は通常会社が出してくれるため、かなり長い区間の定期券も手に入ります。
そうなれば、交通費タダで休みの日に遊びに行ける範囲が広がるので、二重に美味しいです。

給料がまだ安い若手社員にはこちらの方法の方が適しているかもしれません。

(4)仕事

勉強時間を一気に増やす方法として、最も効率的な方法は、仕事自体を勉強に変えてしまうことです。

皆さんご存知の通り、勉強にはインプット(座学)とアウトプット(実践)がありますが、ビジネスマンにとってより重要なのはアウトプットの方です。
そのため、家や予備校等で学んだことを即仕事で実践できるような環境を整えなければなりません。

例えば、会計分野を自己の専門分野として選んだ人については、簿記検定や各種国家資格で得た知識をすぐに使えるように、経理・財務・経営戦略等に異動・転職するべきです。
会計と関係のない職種に就いている時間は、勉強という観点からすると無駄な時間でしかありません。
自分が学んでいる分野と密接に関連している職種に就かないと、勉強時間が激減して、人生を無駄にしてしまいます。

一方で、自分の学んでいる分野と仕事が密接不可分という状況にいれば、一日の勉強時間は一気に増えます。
仕事で拘束されている8~9時間が丸ごと全部勉強時間になるので、成長速度も上昇します。
一石二鳥も三鳥もあるので、最高の環境です。

経営管理部門の専門職の素晴らしさはまさしくこの点にあると思っています。
我々専門職は、日々の業務がすべて学びに繋がっています。
仕事を通じて勉強ができるのです。
もっといえば、勉強させてもらっているだけなのにお金がもらえます。
そういう意味では、勉強が大好きな人にとって経営管理部門の専門職は最高の職種だと思います。

若手社員の皆様には、自分の就いている職種について一度深く考えてほしいところです。
自分が今学んでいる分野と仕事が密接不可分かどうか、きちんと効率よく時間を使えているか。
もし使えていないなら、転職や異動を検討してみましょう。

(5)昼食

職場での昼休みは極力勉強に充てるべきだと思います。
ここでの勉強は主にインプットです。
本を読む時間、問題を解く時間にして、勉強時間を稼ぎましょう。

ただし、プロフェッショナルと対話できる機会があれば、それを優先しても良いと思います。

例えば、この連載の母体である株式会社WARCは、公認会計士たちが創業したベンチャー企業です。
そのため、社内に公認会計士が何十人もいて、提携先の会計士まで含めると数百人のプロフェッショナルがいます。
彼らの中には、IPOの経験を持っている人や大型のM&Aを実行した経験を持つ人が多数いるので、彼らとランチに行けるなら行った方が良いと思います。

プロの世界で実績を出している人と対話できる機会は極めて貴重なので、良い勉強の機会になるはずです。
自分の将来の理想像を再確認するためにも、そういう機会に恵まれたなら積極的に活用すべきだと思います。
それ自体も勉強です。

(6)夕食

夕食も極力時短して勉強に充てましょう。

なお、夕食後の勉強は睡魔との戦いになることが多いので、摂取量を抑える工夫をしてください。
眠い状態で学んだことはほとんど脳に蓄積されないので勿体ないです。
夕飯を少なめにして、勉強に集中です。

また、別の勉強として、職場で尊敬するプロの皆さんと会食に行ける機会などがあれば、行った方が良いです。
実務家から得られる情報は、テキスト等から得られない貴重な情報が多いので、将来にとって有益となることが多くあります。
もちろんただの飲み会もあるので、行くべき飲み会と行くべきではない飲み会がありますが、そのあたりは現場で臨機応変に対応してください。

(7)風呂

男性の場合は風呂で1時間もかかるということはほぼないと思いますのであまり論点になりませんが、女性の場合は風呂だけで2時間以上かかる人もいるそうです。
そういう人の場合は、時短しましょう。

なお、ロングヘアーで乾かすのに時間がかかるとか、化粧水や乳液、風呂上がりのストレッチでどうしても時間がという人もいるかもしれません。
それが勉強よりも大事だと確信しているならそちらを優先すれば良いと思います。
勉強の優先度は人それぞれなので、無理のない範囲で調整してください。

(8)家事

一日の内、地味に時間を取られるのが家事です。
掃除、洗濯、買い出しなどです。

まず掃除については、汚さない工夫をすることが大切です。
掃除をしなければならない回数そのものを減らすために、毎日5分だけ簡単な掃除をするとか、日頃から汚さないように気をつけるとかをするだけで、一気に時間を短縮できます。

次に、洗濯については週に1回まとめてやるという方法などで時短できます。
乾かす時間の短縮という意味ではコインランドリーの乾燥機を使うのも効果的かもしれません。

そして、買い出しについても、Amazonや楽天を上手に活用して、家まで届けてもらうという方法もあります。
水や野菜ジュースなどの重たい商品やトイレットペーパーなどの嵩張る商品では非常に助かると思います。

確かに、スーパーと比べるとAmazon等の方が割高になることが多いのですが、よく見ると1商品あたり数十円の違いなので、買い出しに行く時間を時給換算すると、むしろAmazon等の方が安いかもしれません。
時間こそ最大の資産なので、勉強をしなければならない間だけでも上手に活用していただければと思います。

おわりに

ということで今回は、ビジネスマンの勉強時間の作り方について書かせていただきました。

皆様の参考になれば幸いです。

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内容に応じて担当者がお返事させていただきます。

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瀧田桜司

役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長/ 学歴:一橋大学大学院法学研究科修士課程修了(経営法学)及び京都大学私学経営Certificate/ 資格:司法試験予備試験・行政書士など/ 執筆分野:経営学・心理学・資格・キャリア分野のコラム記事を担当させていただく予定です

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