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2024/10/17 更新

転職での失敗を減らす!転職前に確認すべきポイント8選

はじめに

多くの人が22歳~24歳で新卒入社して、それから30歳くらいまでの間に最低でも1回は転職を検討すると思います。

しかし、初めての転職は右も左もわからない状態で、失敗する可能性も高くなってしまいます。
そこで今回は、転職での失敗を極力減らすために、転職前に確認しておくべき8項目をご紹介したいと思います。

この記事が若手ビジネスマンの皆様の参考になれば幸いです。

1.転職の動機は明確か

なぜ今転職したいのかという点については、面接でもよく聞かれるポイントなので一度整理しておきましょう。

ただ過去の事例を見る限りでいうと、転職理由で最も多いものは「人間関係」と「給与」を原因としたものです。
この2つの理由は表現を間違うとマイナスの印象を与えてしまうので注意が必要です。

まず人間関係を理由にした転職の場合は、社内に嫌な人が多いとか、上司がパワハラしてくるなど様々なものが考えられますが、いずれにしてもそれらをポジティブな表現で言い換えないといけません。
面接時に素直にそのまま答えてもあまりメリットはありません。
どこの会社にも変な人、嫌な人は一人以上いますので、それを理由にした転職だと採用されづらくなるのです。
そのため、事前にどう表現すればポジティブな言い換えになるのかを考えておくべきです。

また、給与の低さを理由にした転職も、表現を間違うと悪印象を与えることが多いので、ポジティブな言い換えを考えておかないといけません。
自分の市場価値を客観的に分析して、それを基礎にした控えめな発言をするべきです。

転職の面接では自分の能力を過大評価している人や過去の実績を誇張して語る人が多いので、それをやってしまうとマイナスの印象しか与えられません。

なお、一部の職種においては「お金に対する強い執着」がポジティブに受け取られることもあります。
代表例としては、業績に応じて年俸が決定される営業職などです。
このような職種にはお金に執着したギラギラした人が多く在籍しているので、お金に対する執着を見せた方が受かりやすいかもしれません。

ただし、本当にそういう人たちと働くことが幸せなのかどうか、本当にお金のために働きたいのかという点について深く考えておくべきです。
お金という価値観を中心にしている職場は、思っている以上にギスギスしていることが多いですし、苛烈な競争とプレッシャーの中で働かないといけません。
そういう世界で生きることが本当に自分の幸せに繋がるのかという点について、一度深く考えておきましょう。

2.転職の目的は明確か

転職理由を分析し終わったら、転職の目的を明確にしておきましょう。

次の転職先で成し遂げたいことは何なのか、もっといえば、人生で何を成し遂げたいと思っているのかについて考えておくべきです。
面接では将来のキャリアプランなどを聞かれることも多いので、そこで詰まらないようにするためにも、一度深く考えておかないといけません。

もし、目的が不明確で、まだ言語化できないという場合は、転職時期を見直した方が良いと思います。
曖昧なキャリアプランのまま転職活動をすると、場当たり的に転職先を選んでしまいがちになるので、失敗をしやすくなってしまいます。
だからこそまずは自分の転職目的を言語化して、それを達成するために合理的であるといえる転職先を選べる状態にしてから活動を開始したほうが良いです。

3.転職先の業界選定は明確か

転職をする際は、業界選定が極めて重要になってきます。

今までと同一の業界に行くのか、それとも全く違う業界を選ぶのか、ここが人生の分かれ道であると言っても過言ではありません。

キャリアは一度構築してしまうと変更ができません。
過去は変えられないので、自分の歩んできた道程として刻まれます。
だからこそ、後悔のない選択をしていただきたく思います。
自分が今後のキャリアを費やしても後悔しないと思える業界を選びましょう。

なお、最近人気のある業界はITです。

ITの中でもクロステック(×Tech)と呼ばれている分野が人気で、今まで古い体制・文化が根付いていた業界にITのテクノロジーを持ち込んで、業界そのものを変えていこうという分野です。
今ではたくさんのクロステック領域が出現しているので、それを参考にしてみるとイメージがしやすいかもしれません。

ほんの一部ですが例示として以下に挙げておきます。

  • フィンテック(FinTech):ファイナンス×IT
  • ヘルステック(HealthTech):健康×IT
  • エドテック(EdTech):教育×IT
  • フードテック(FoodTech):飲食×IT
  • スポーツテック(SportsTech):スポーツ×IT
  • ファッションテック(FasionTech):ファッション×IT
  • HRテック(HRTech):人事・労務・人材領域×IT
  • リーガルテック(LegalTech):法律×IT
  • 物流テック(Logistics Tech):物流×IT
  • ガブテック(GovTech):政府系業務×IT
  • アドテック(AdTech):広告×IT
  • セールステック(SalesTech):営業×IT
  • リテールテック(RetailTech):小売×IT
  • アグリテック(AgriTech):農業×IT

上記それぞれが、今まさにテクノロジーで改革を起こしている最中の業界です。

今後10年間で劇的に変化していくと思いますので、ワクワクする分野を選んでください。

4.自分の強み・弱みは明確か

業界選定まで終わったら、次は自分自身の分析をしましょう。

自分の強みと弱みと正直に、誠実に書き出してみると良いと思います。
何ができて、何ができないのかを洗い出す作業です。

そして、今後の人生で強みを更に磨き上げるのか、それとも弱みを補強するのか、今の段階で決めておきましょう。
仕事をしながら勉強をするのは大変なので、取りうる選択肢は限られています。
自分の強みを徹底的に磨いて特化型の人材になるのか、弱みを少しずつ克服して万能型になるのかで、歩むべきキャリアも変わってきます。

この点をよく理解している面接官の場合は、面接で鋭く質問してくることも多いので、自分の戦略を語れるようにしておくと良いです。

ここからは余談ですが、履歴書で自分の強みや過去の実績を誇張して書く人が非常に多いので、それは辞めておいた方が良いと思います。
特に専門職の転職の場面では、履歴書・経歴書を見る側もプロですから、誇張をしているということがすぐにわかります。

そもそもほとんどの仕事はチームで行うものなので、自分ひとりだけの実績なんてたかが知れております。
それをあたかも自分だけの業績として記載する人は信頼もされませんし、何よりとてもカッコ行為なので、できる限り避けた方が良いと思います。
控えめに謙虚に書いておいた方が印象も良いです。

5.自分のキャリアプランは明確か

自分の強み・弱みを理解して、戦略を練った後は、自分のこれからのキャリアプランを検討しましょう。

何歳までに、どんなポジションに就いて、いくらの年収を稼いで、どうなっていたいですか。
あまり考える機会もないと思うので、ついでにライフプランも考えておくと良いと思います。

結婚、出産、家を買うのか、賃貸のままか、家を買うとしたら一軒家かマンションか。
それらを実現するためには、どの程度の年収が必要なのか。
将来独立するのか、雇われたまま経営層を目指すのか、それとも中間管理職の方が性に合っているのか。

考えるべきことはいっぱいありますので、転職を好機と捉えてじっくり考えてみてください。
その結果、転職をしない方が理想を実現しやすいということになるかもしれません。

そもそも転職はリスクを伴う活動なので、人生にとっては不確実性の高いイレギュラーなイベントです。
自分のライフプランにとってマイナスとなるなら転職活動を中止するという決断も必要な場合があるので、ここでじっくり考えることが将来のリスクを減らす活動になります。

6.相談相手はいるか

転職する際、できれば信頼できる誰かに相談した方が良いと思います。

相談者として適している人は、以下の要件を複数満たしている人です。

  • 客観的な意見を正直にくれる人
  • 転職市場に詳しい人
  • 自分の行こうとしている業界に詳しい人
  • 自分が進もうとしている業界の人脈がある人
  • あなたのことを本気で考えてくれる人

良き相談相手を持つことはとても重要な能力だと思うので『転職しようかなぁ』と思った時点で、少し勇気を持って、人脈を増やしてみてください。
今はFacebookやLinkedInというすごく便利なSNSがあるので、比較的簡単に人脈は増やせると思います。
全く知らない人にSNSでメッセージを送るのは勇気がいると思いますが、小さな勇気を振り絞ることで得られる利益は大きいと思うので、頑張って話しかけてみてください。

7.エージェント選びは適切か

転職には、いろいろな方法があります。

代表的な方法は、以下の通りです。

  • リファーラル(知人からの紹介で転職)
  • 直接応募
  • エージェント経由

このうち、最強なのはリファーラルです。
紹介してくれた人の地位や信頼度によっては、最初の面接が最終面接となることがあります。
CEOからのリファーラルの場合は採用することを前提として話が進んでいくことも多いです。
そのため、まずはリファーラル案件を模索するべきです。

次に有効な手段がエージェント経由です。

ただし、ここでいうエージェントは、一流のエージェントのみを意味します。
一般のエージェントはただの人材紹介業者という位置づけなので、直接応募の方が有効かもしれません。

一流のエージェントは、CEOやCFOなどと個人的な繋がりを持っていて、かつ、会社の経営陣からの厚い信頼を得ています。
そのようなエージェントは、実質的にその企業の書類選考と一次面接を担っています。
そういうエージェントからの紹介を得られれば、かなり有利な立場で選考に進むことができます。

そして、私の知る限り、一流のエージェントは、定型文のスカウトメッセージを送りません。
誰にでも送っている量産型スカウトメッセージが送られてきた時点で、そのエージェントは二流又はあなたのプロフィールを見てもいないと判断して問題ないと思います。
自分にとって本当に価値のあるエージェントは、あなたのプロフィールを熟読して、丁寧にスカウト文を書いて送って来るエージェントです。
ビズリーチなどのスカウト型のサイトに登録したときに、明らかに自分のプロフィールを熟読していると思われるスカウトメッセージが来たら大切にしてください。
その人はあなたにとっての一流エージェントである可能性があります。

8.企業分析は十分か

最後に企業分析をしておきましょう。

エージェントは通常、一人で20~30社ほどの案件を持っています。
会社全体では数百社の求人案件を抱えています。
その中から求職者の希望に適合する案件を紹介してきます。

しかし、一人のエージェントが把握できる企業なんてたかが知れているので、紹介してくる案件の何割か(場合によってはほとんど)は全く詳しくない会社の案件もあるわけです。
だからこそ、自分で深く分析しないといけません。

転職先の候補となる企業が上場している場合は、財務諸表や決算説明資料が公開されていると思うので、じっくり読みましょう。
ホームページの経営陣の経歴も全部調べるべきですし、転職サイトの企業の口コミ情報も全部読んだ方が良いです。
自分の知人にその会社で働いている人がいるならぜひ話を聞きに行ってください。
そうやって自分でたくさん情報を集める努力をすればするほど、転職の成功確率が高くなります。
知れば知るほど、好きにもなりやすいですし、面接時に語れることも増えます。
それに、転職した後でブラック企業だったと気づいたら取り返しがつかないので、自分の将来を守るためにもできる限りの調査・分析をしておくべきです。

おわりに

若手ビジネスマンが初めて転職をするときは不安がいっぱいだと思いますが、最低限この記事に書かれている事項は確認しておきましょう。

皆さんが後悔のない転職をすることを願っています。

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内容に応じて担当者がお返事させていただきます。

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瀧田桜司

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