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コラム
2024/10/23 更新

経営管理部の専門職が取るべき資格・学位をご紹介

はじめに

今回は、経営管理部門の専門職が、転職時に年収の上げたいと思ったときに、狙うべき資格又は学位について書いていこうと思います。
あくまでも私個人の見解なので、これが唯一の正解というわけではございませんが、参考にしていただけると幸いです。

1.専門職の年収は専門性の高さに比例する

経営管理部門には、経理・財務・法務・人事労務・経営企画などの専門職が多く在籍していますが、その専門職の年収は、原則として専門性の高さに比例して高くなっていく仕組みになっています。
ここでいう専門性には、知識・経験の双方が含まれます。

専門職は、高度な専門知識を有していることが大前提で、その上で豊富な実務経験(マネジメント経験を含む)を求められます。
それらが合わさって初めて年収が他の人より高くなるという構造です。

そして、知識と経験を証明するためには「資格・学位」と「実務経験を証する書類(主に職務経歴書)」が必要です。
専門職の書類選考はとてもシビアなので、履歴書・職務経歴書の時点で自らの専門性を証明できない場合は、書類選考時点で落とされてしまう確率が高くなります。

20代前半であればまだポテンシャル採用をしてくれるところもあるのですが、30代に入るとかなり厳しい目で見られるようになります。
というのも、30代以降からの成長余地はほとんどないと考えられているからです。
多くの場合、専門職の成長期は20代で止まってしまうので、30代を成長期待(ポテンシャル)で採用するわけにはいかないのです。

現実的な問題として、30代前半くらいまでに資格や経験を得られていない人が、30代後半以降で爆発的な成長を遂げて資格や経験を獲得できるなんていうことはほとんど起こりません。
だからこそ、20代~30代前半までに資格を取ってしまって、できる限り早い段階から実務の経験を積んでいくべきです。

では、若い頃にどのような資格・学位を取得すればよいのでしょうか。
この点について、職種別に話していきたいと思います。

2.取るべき資格・学位

経営管理部門には、主に以下の4つの専門部署があります。

  1. 経理財務
  2. 法務
  3. 人事労務
  4. 経営企画

この4つの部署について、取るべき資格や学位を検討していきましょう。

(1)経理財務

経理財務は最もわかりやすい部署です。

この職種で高い年収を得るなら、何よりもまず簿記を学ぶべきです。

資格でいうと日商簿記2級全経簿記1級がスタートラインです。

ただし、現実的なお話をすると、日商簿記2級又は全経簿記1級だけだと厳しいところがあります。
経理財務の専門職にとって日商簿記2級程度の知識は最低限であり、持っていて当たり前というレベルです。
そのため、経理財務としての成功を本気で狙うなら、最低限日商簿記1級又は全経簿記上級を取得しておくべきです。

更に上を目指すのであれば、公認会計士又は税理士資格を取っておくべきだと思います。
CAO又はCFOなどの経営層を目指すなら会計士・税理士などの士業資格がないとどうしても見劣りしてしまいますし、知識面で不安を抱かれる場面が増えます。

もし公認会計士・税理士が難しすぎるという場合は、税理士試験の科目合格(2~3科目)又はUSCPAの取得を目指してみると良いかもしれません。

また、CFOを目指すのであれば、MBA Financeを取得すると有益かもしれません。
日本では一橋大学や早稲田大学がFinanceに特化したMBAを開講しています。

(2)法務

法務として最もわかりやすい資格は、弁護士資格です。
今は司法試験の合格率も上昇して、比較的取得しやすい資格になっていますので、お金と時間に余裕がある方は目指してみても良いかもしれません。

その他法律系資格で法務職にとって有益なものは、司法書士弁理士があります。
いずれも極めて難易度の高い国家資格ですが、それだけに価値も高い資格です。

一般的な法務事務又は法務スタッフとして働ければ十分だという場合は、行政書士ビジネス実務法務検定1級が程良い難易度の資格です。

なお、法務という職種との関係では、行政書士よりはビジネス実務法務検定1級の方が知識面で活用しやすいかもしれません。

学位については、単にロースクール修了や法学部卒というだけではあまり効果はありません。
法務の採用に携わる機会が多かったので実感として思うことなのですが、法務職の選考では、どこの大学・ロースクールを卒業しているかという点まで見られる傾向があると感じています。
そのため、先々法務職として生きていこうと思っているのであれば、できる限り上位のロースクール(既習)に進学しておくことをお勧めいたします。

(3)人事・労務

人事労務で最も効果の高い資格は社会保険労務士(通称「社労士」)です。
社労士を持っていれば書類選考の通過率はかなり上がりますので、まずは社労士の取得を検討しましょう。

また、人事労務という職種は、会社によって業務内容に大きな差異がありますので、社労士以外の分野の勉強もしておくべきです。
例えば、日商簿記2級以上及びビジネス実務法務検定2級以上を持っておくと、実務で活かせると思います。

学位としては、人的資源管理又はマネジメントなどを専攻してMBAを取得しておくと役に立つかもしれません。
人的資源管理については中央大学のMBAがコースを設けています。
マネジメントについては早稲田大学、一橋大学などの多くの大学院で専攻コースがあるので、検討してみると良いでしょう。

(4)経営企画

経営企画で成功を収めている人の多くは、元外資コンサルという人が多いので、資格というより学歴・経歴という要素が必要になってくる職種であると思います。
素人がいきなり経営戦略担当や経営企画担当になるということはまずありません。
もしあったとしたら、それは名ばかりの職種で実態が伴っていないので、キャリア的にプラスになるか怪しいです。

もし経営企画として成功したいと思うのであれば、まずはコンサル職になって経験を積ませていただくというのが近道だと思います。
今は外資コンサルの多くが日本での採用を強化しているので、昔と比べると比較的簡単に外資コンサルに入ることができます。
もちろんそれでも競争が激しい職種ですが、良い学歴や光る何かを持っていれば可能性があります。

コンサル職で比較的好まれる資格としては、弁護士公認会計士税理士中小企業診断士USCPAUSCMA日商簿記1級全経簿記上級などです。

学位としてはMBA(経営戦略専攻)が最も親和性が高いですが、最近では理系の修士号以上の学位を有する人たちも人気があります。
理系の中でも工学・化学などの学位は活用場面も多いので有益かもしれません。

いずれにしてもかなり高度な学力が必要になる職種なので、客観的証明になる資格・学位を取れるだけ取っておきたいところです。

おわりに

以上が各職種で取るべき資格の概要です。
若手ビジネスマンの皆様の参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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瀧田桜司

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